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気候変動・温暖化

2010年6月14日 (月)

2050年までに100%再生可能エネルギーに移行できる!

現在、米国、中国、欧州を中心に、再生可能エネルギーの開発がかつてないほどの規模とスピードで進んでいる。

なかでも最も大きな割合を占める風力発電では、スペインとドイツを一気に抜き去って米国が1位、中国が2位になった。

とりわけ注目すべき米国のテキサス州は、国別の規模と比べてもスペインに次ぐ風力発電量で、石油生産基地からの脱皮をはかるかもしれない。

さらに欧州に目を向ければ、北アフリカの広大なサハラ砂漠地帯で、前例のない大規模な太陽熱発電を行い、2050年までに全欧州の消費電力の15%を賄うという、総額4000億ユーロ(約45兆円)にのぼる壮大な構想が始まっている。

さて、そんな再生可能エネルギーブームの中で、スタンフォード大教授らによる「2030年までに世界中で再生可能エネルギーを100%にできる!」という 研究報告を、以前当ブログで紹介したが、今年になってEUとドイツで、「2050年までに100%再生可能エネルギーに移行できる」という報告が相次いだ。

一つは、EUの欧州再生可能エネルギー評議会(以下ERECという、欧州における再生可能エネルギー関連の企業・通商団体・研究組織を傘下にもつ統括団体による、「再考2050年(Re-thinking 2050)」(4月14日付)という報告書だ。

ERECは2000
年に設立され、55万人以上の従業員、年間売り上げ700億ユーロの産業界を代表している。

報告書には
EUが彼らの提言を実行し、再生可能エネルギー100%を達成することで得られる環境面、経済面、社会面における利点も挙げている。

例えば、再生可能エネルギー部門では、既存エネルギー部門で失われる雇用を大きく上回る610万人の新規雇用が見込めるという。また、二酸化炭素の排出量を2050年までに90%以上減少できる。さらに、EUが再生可能エネルギーに移行するためには、2050年までに総計2兆8000億ユーロを投入する必要がある一方で、二酸化炭素の排出削減により、総計で3兆8000億ユーロの経済効果があると試算されている。

これらを実現するためにERECが提言した政策内容には、エネルギー市場を完全に自由化すること、化石燃料や原子力エネルギーへの助成金を段階的に廃止し、EU全体の炭素・エネルギー税を導入することなどがある。

もう一つは、5月5日にドイツ政府の「環境問題に関する学識者諮問委員会(以下SRU)」が出した見解、「2050年までに100%再生可能エネルギーで電力供給、気候に負担なく、安全、支払い可能」という報告書である。

SRUは、環境問題を迅速かつ緻密に徹底分析するためには、行政が学術界と常にコンタクトをとる必要があると、1969年に政権交代した内閣によって設置された。自然科学・技術的、経済的、法的、政治学的、倫理的見地から、学術的に中立で包括的な勧告を行なう。現在、ドイツ国内7大学の七人の教授が委員になっている。


SRUに任命された専門家たちが定期的または臨時に公表する中立的な環境状況に関する見解や勧告は、1972年以来、行政当局や報道関係者、一般市民の判断材料としても、広く役立てられてきた。したがって、日本の審議会とは似て非なるものである。


さて、そのSRUだが、再生可能エネルギーへ移行する8通りのシナリオを、欧州で最も厳密で最高のモデルといわれるドイツ航空宇宙センターのモデルを用いて試算している。


それによると、再生可能エネルギーのみのほうが、従来のCO2排出量の少ないエネルギー源とのミックスよりも、電力原価が安くなるという。従来型発電所は、風力・太陽光による発電量の変動に対応できないので、長期的に並行して使うと、システムの効率が下がり不必要に高価になるそうだ。


早急に着手しなければならない課題は、発電施設を結ぶネットワーク構築と、再生可能エネルギーによる変動の大きい電力の蓄電問題の解決である。EU全体でも、再生可能エネルギーを最大限に活用できる電力ネットワークの構築を戦略的に進めているところだ。SRUの提言では、ドイツは蓄電を北欧諸国の水力・揚水発電に依存したほうがよいと、早期の交渉開始を促している。


ということは、日本には水力・揚水発電所が多いので、脱原発という高すぎるハードルさえ超えられれば、ドイツよりも楽に実現可能なはずなのだ。


さらに、SRUはドイツ連邦政府に、「原子力発電所の運転 延長も、CO2分離や貯留できる新しい石炭・褐炭発電所の建設も無用である」と訴えている。現政権が、前政権までの脱原発計画を先延ばししようとしているからだ。


以前のエントリで紹介した、「2030年までに世界中で再生可能エネルギー100%が可能」という報告と、今回紹介した2件の報告に共通しているのは、「技術的には可能である。実現できるかどうかは、政治の意思次第だ」という点だ。

政治の意思とは、すなわち政治を選択する有権者の意思である。

化石燃料資源の枯渇以前に、気候変動による大災害、あるいは地震や人的ミスによるチェルノブイリのような原発事故など、取り返しのつかない事態がいつ起きるとも限らない。
有権者には、政治を選択するために長い間迷っている時間はないのだ。

それでは、日本の政治に目を向けてみよう。

5月14日の衆議院環境委員会で民主党の櫛渕議員が、太陽光発電の世界シェアが大幅に縮小した日本と、大きく伸びたドイツやスペインを比較しながら次のような質問をしていた。

「まさに、官僚主導、再生可能エネルギーの軽視、全量全種の固定価格買い取り制度を導入しなかった、こういったことが本質にあり、日本でも2000年ごろ、民主党をはじめとする超党派で固定価格買い取り制度の導入を進めました。しかし、旧政権はそれを採用しなかった経緯があります」

そして、旧政権の政策の失敗だったと述べた櫛渕議員に、増子経済副大臣も同意した。


それにも関わらず、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度は、相変わらず政策失敗の張本人である経産省中心で検討されており、一年以内に成案を得るなどと気の長い話をしている。導入量目標は、第一次エネルギー供給比で2020年までに10%以上、2050年までが37~46%らしい。

菅政権には、一刻も早くエネルギー政策を経産省から環境省主導に一元化、もしくは英国やデンマークのように新たに「気候変動・エネルギー省」を設立して、国会議員による政治主導で決定するよう改革してもらいたい(当ブログの「エネルギー基本計画」見直しへの意見参照)。


そして、日本のお家芸の技術と人材を活かし、冒頭で述べた世界の再生可能エネルギー推進の流れに、追いつき追い越す包括的な政策を、早急に策定してもらいたい。

2010年4月 5日 (月)

続・2030年までに世界中で再生可能エネルギーを100%にできる!

 

前回のエントリで紹介した、スタンフォード大Jacobson教授らの研究報告の論文(英語)を、斉藤賢爾氏(当ブログの「気候サミットCOP15各国代表の声明」シリーズを、コペンハーゲンからTwitterで実況翻訳してくださった「不思議の国のNEO」の著者)が、Twitterで紹介しコメントを書かれていました。
私自身この論文をまだ読んでいませんが、ドイツの報道になかった内容や斉藤氏の専門的なコメントを是非併せて読んでいただきたいと思い、転載します。

私も、エネルギー需要を減らすことが重要という意見に賛成です。オイルショック後に政府が法律で規制したネオンや広告塔などもさることながら、個人レベルでもまだ節電を工夫できる余地はあると思います。


【論文】

SCIENTIFIC AMERICAN 200911月号の記事
How to get all energy from wind, water and solar power by 2030


Twitterの斉藤氏のコメントから転載】
前提となる需要は?と思って調べたら約17TW11.5TWに下げるようですね。もっと下げましょう!
日本は「1.4kW社会」を目指すべきと思う。ひとり当たりのエネルギー消費が2kW(スイスの目標)よりも1kWに近い社会。現状は約5.5kW
エネルギー安全保障、文明の持続可能性、人類全体に対しての公正さの面で2030年までに風力、太陽光、水力で世界全体のエネルギー需要を賄えるとするこの記事の前提11.5TWは、基本、電化による効率化しか考えていない。
この記事で気になる点は、世界全体のエネルギー消費を現時点で12.5TWとし、16.5TWと見積もる2030年時点での米国の消費を2.8TWとしているところ。これについては、2000年代中頃ですでに世界15TW、米国3.3TWとしている資料も。
エネルギーを風力・水力・太陽光に移行するにあたり、リチウムなどの資源の不足と政治的問題が一番のハードルだと言っていて、それは確かにその通りと思います。資源の不足は物理的な問題なので解決し難く、やはりエネルギー需要を減らすことが重要。
「石炭+炭素回収・貯蔵」や「原子力」を石油の代替として「考慮していない」のは、全体でのCO2排出やその他の大気・土壌・海洋汚染に加えて「テロリ ズム」のリスクを考えているから。普通は考えますよね。安全で安心できる社会を作りたいなら。【転載ここまで】

2010年4月 3日 (土)

2030年までに世界中で再生可能エネルギーを100%にできる!

エイプリルフールはもう過ぎたので、タイトルを信用してください。
少なくとも、スタンフォード大学のJacobson教授たちは、ベルリンで技術的に可能であると報告したのです。

報告内容の前に、ドイツの首都ベルリンで3月に開かれた、「ドイツ・アメリカ エネルギーの日」という、新しいエネルギーのあらゆる側面を網羅した会議について、少し触れておきたいと思います。

この会議で独米商工会議所は、米政府はエネルギー効率化や再生エネルギー促進に700億ドルを用意する見通しなので、ドイツ企業がアメリカで投資するには今が好都合だとアピールしました。

ところで、アメリカと中国との間には、省エネルギー技術、再生可能エネルギー、電気自動車、スマートグリッドなど、中国のエネルギー政策の変革に必要なすべての主要分野において、中長期的に相互協力を行うという、戦略的な協定がすでにあるそうです。どうやら、日本はすっかり出遅れたようです。

そして今度は、50以上の国の手本となった法令を定め、多くの雇用を生み出し、再生可能エネルギー技術の分野ではトップランナーといえるドイツの企業を誘致しようとは、アメリカはなかなかしたたかです。

一方日本の経済界やメディアは、鳩山政権の野心的な25%削減宣言に対して、経済に悪影響を及ぼすとか国民負担が増えるとか、アメリカや中国が削減しないのに不公平とか、反対意見のオンパレードで、建設的な議論はみられません。
しかも、経産省の審議会が「エネルギー基本計画」を見直すからと2回目の意見募集をしていますが、温暖化防止には問題だらけの原子力発電を増やすしかないというような、旧態依然の審議会のようなやり方で旧態依然の利権を温存する政策内容しか出てきません。

原発の問題については書き出すときりがないので、もう一つのブログ「原子力エネルギー問題に関する情報」をご覧ください。

日本政府がいつまでもモタモタしている間に、削減目標こそは日本に見劣りするものの、アメリカと中国の政府は着々と将来に向けてエネルギー政策の変革を進めているのです。

鳩山政権は、公約どおりの政治主導で
もっと大胆に、欧州のような化石燃料に依存せず持続可能なエネルギー社会に変革するための、包括的な「気候変動・エネルギー政策」を策定し、専属で取り組む行政機関として新たな省庁を設置するべきです。ドイツのように環境省主導にすると、これまで長年温暖化ガス削減の足を引っ張ってきた経産省との縄張り争いに終始して進歩がないので、英国やデンマークのような「気候変動・エネルギー省」を作るべきでしょう。

閑話休題。
ベルリンで開かれた独米エネルギー会議では、Energy Watch Groupによる研究報告もありました。
これが、冒頭の「2030年までに世界中で再生可能エネルギーを100%にできる!」という、
Mark Z. Jacobsonと、Mark A DeLucciという二人の教授による発表です。

ドイツでは、4分の3の人々が、電力はすべて再生可能エネルギーで供給してほしいと願っている一方で、半数は技術的に実現可能か懐疑的だそうですが、Jacobson教授らは技術的には可能というのです。

<内容の概略>
風力(波力も含める)、水力(潮流や地熱も含める)、太陽光による発電を柱とし、今日すでに普及あるいは技術的に完成したもので、原料調達、建造、施設の閉鎖などあらゆる段階において、温暖化ガスや有害物質が最小限しか放出されないことが前提。
したがって、原子力発電、バイオ燃料発電は考慮に入れない。

20年間に100兆ドルくらい投資することになるが、化石燃料や原子力発電所の建設費、燃料費、健康・環境安全対策(私は、この対策がこれまで蔑ろにされてきたので、本気でやればはるかに高くなると思います)に最低限かかる費用も同程度。

電池に使うリチウムなど、特殊な稀少原料不足がネックになるかもしれないが、リサイクルや技術革新によって乗り越えられるだろう。


越えねばならない壁は、従来のエネルギー供給側の利権を手放したくないロビイである。
立法者(すなわち国会議員)は、再生可能エネルギーの普及を促すための法令、コスト削減への誘導策、従来のエネルギーに対する補助金削減などにより、ロビイストの影響(というより抵抗でしょう)を克服しなければならない。



そして、この報告にあるようにロビイストの影響を克服するために、ピークオイルを過ぎて持続可能なエネルギー政策に必要な経済利益にとらわれぬ科学的な情報を広く提供する必要があると、欧州の国会議員と世界中の専門家たちが2006年に設立したのが、Energy Watch Group
(英語)です。

発起人は、ドイツの国会議員で
緑の党のエネルギー・技術政策担当Hans-Josef Fell議員。 他の国会議員は、ドイツ社会民主党の環境政策担当、スイスの経済学者、イギリスの全党ピークオイルグループの議長です。

さらに、欧州以外に中国や韓国からも専門家が約20名参加しています。

このような活動を通じて、真に有用な情報が多くの国々に広まっていくことを願ってやみません。

そのために、私たちにまずできることは、このEnergy Watch Groupを設立し活動しているような国会議員を、日本でも1人でも多く選んで国会に送り込むことです。

2010年2月27日 (土)

「エネルギー基本計画」見直しについての意見

経産省 資源エネルギー庁が、エネルギー基本計画の見直しについて意見を公募http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100209a10j.pdfしていたので、書いて送りました。

時間がなくてじっくり吟味された内容ではありませんが、せっかく書いたので備忘録として残します。

原発の問題については、Twitterのおかげでかなりの情報が集まったので、いずれ改めてまとめたいと思います。


以下が意見の対象となる「見直しに当たっての論点」と、対する私の意見です。


6.横断的課題
○このほか、エネルギー政策の見直しに当たって検討すべき課題

【上記論点に関する意見】
検討すべき最優先課題は、このような審議会によるエネルギー基本計画策定をやめて、近く国会に提出される予定の「地球温暖化対策基本法案(仮称)」と「エネルギー政策基本法」およびそれに基づくエネルギー基本計画を、一元化することである。

(理由1)
 参考資料「昨今のエネルギー政策をめぐる情勢と我が国の課題について」http://www.meti.go.jp/topic/downloadfiles/100209a06j.pdf2頁目に、「エネルギーのトリレンマ」として、地球温暖化、経済成長、エネルギーセキュリティーの三つが交差した図と、2008年の日本の温室効果ガスの88%がエネルギー起源というグラフがある。
 すなわち、これらは総合して取り組むべき課題であり、「地球温暖化対策」と「エネルギー政策」を切り離すべきではない。
 イギリスやデンマークには「気候(欧州では温暖化ではなく気候変動という言葉が一般的)・エネルギー省」と担当大臣が存在するほどであり、ドイツでも連邦政府が包括的な「気候・エネルギープログラム」を策定して取り組んでおり、いずれの国の政策も世界をリードする成果をあげていることが、その証左である。
 
(理由2)
 エネルギー政策を切り離して経産省に主導させることにも問題がある。
 
たとえば、日本の再生可能エネルギー普及を阻み続けてきたからだ。
 
ドイツでは、「再生可能エネルギー法(以下EEG)」を2000年に施行。火力発電よりも割高な固定価格による再生可能エネルギー電力の買い取りが、電力会社に20年間義務付けられ、温室効果ガス削減という気候保全だけでなく、エネルギー源の転換や雇用創出にも大きな成功をもたらした。今後も大きな伸びが期待されている。
 
これまでに、ドイツのEEGに倣って類似の制度を導入した国の数は50にも上るが、日本では、ドイツとほぼ同時期に超党派で導入しようとしたほぼ同内容の議員立法案が、原発を推進したい経産省と電力業界の抵抗で廃案になった。

 やっと昨年11月に「固定価格買取制度」が始まったものの、民主党が目指すドイツのような内容ではなく、対象は太陽光発電だけなどの限定つきである。
 
そのような経過の中で結局、太陽光発電の設置量トップだった日本は2004年ドイツに追い抜かれ、2008年には六位に転落した。さらに2007年には、2001年に太陽電池の生産を開始したばかりのドイツの会社Qセルズが、EEGなどドイツ政府の手厚い優遇政策を追い風に、生産量世界一の座を七年連続で死守していたシャープを追い越した。
 
省益優先で旧態依然の縦割り省庁に政策を任せていては、本来なら護送船団で守られるべき業界ですらこのように足を引っ張られるだけである。

(理由3)

今回の意見公募は、経済産業省の審議会によるらしいが、官僚のシナリオどおりに進むといわれた自民党政権時代の審議会が、改善されたのかどうか疑問である。
 
また、「総合資源エネルギー調査会総合部会基本計画委員会」の18名の委員がこのエネルギー基本計画の見直しを担当するようだが、国のエネルギー計画策定になぜ読売新聞本社の編集委員やNHKの解説委員が選ばれているのか、各委員の選考理由もわからない。
 
このような意見募集や審議会などは、時間の無駄でしかなくやめるべきだ。

 
代わりに、2030年までに何パーセントまでエネルギー自給率を向上させたいのか、同時にどれだけの温室効果ガスを削減するのか、それぞれ再生可能エネルギーの占める割合や段階的な脱原発の有無など、何種類かのシナリオを、複数の学識者やシンクタンクなどにシミュレーションさせればよいと思う。日本国内だけでなく外国にも依頼すれば、より客観性が高まるだろう。
 
さらに、気候・エネルギー政策を一元化したら、国会で議員と専門家による諮問委員会を設置し、国会で審議・決議するべきだ。施策の実施や検証のためには、各省庁の担当部署を横断させて、環境省がまとめればいい。
 
ドイツの例では、1987年、日本の衆議院に相当する西ドイツの連邦議会が「地球大気保全のための予防政策」に関し、11人の国会議員と11人の専門家から成る諮問委員会を設置した。120回の作業委員会、15回の公聴会を開き、50の研究機関が参加、150の報告書が提出され、ファイルはゆうに1万頁を超えたという。
 
一方、1990年に策定された「地球温暖化防止計画」は、少数の官僚の手でわずか数ページにまとめあげられただけだったらしい。
 20年後に、CO2を20%削減したドイツと、7%以上増加させた日本の差は、以上のような政策決定の違いからも明らかだ。(最初の意見ここまで)

1.基本的視点
<エネルギーの安定供給の確保>
○今後のエネルギー安全保障の確保については、・・・原子力や再生可能エネルギーなどの非化石エネルギーの推進や資源確保に向けた国際的な交渉力の強化が一層重要になるのではないか。
2.基本的視点を踏まえた新たなエネルギー需要構造のあり方
<エネルギー供給構造の改革>
○安定供給、低炭素社会構築の切り札となる原子力発電については、安全を大前提としつつ、新増設の円滑化や先進諸国並みの設備利用率を確保するとともに、核燃料サイクルの着実な推進を図るための取組の強化が必要ではないか。

【上記論点の原子力発電に関する意見】
原子力エネルギーは、エネルギーの安定供給に寄与するどころかその逆で、しかもエネルギーや経済問題としては解決できない様々な問題も生み出している。

(問題点1)
ウラン採掘から燃料輸送や核廃棄物処分まで考慮すると、原発のCO2排出量は再生可能エネルギーを上回る。しかも、日本では夥しい量の温廃水が海に排出されるので海中のCO2が放出され、海水の温度上昇は生態系にも悪影響を与えている。さらに、日本では地震や事故による停止が多いので、他国に比べて稼働率が低すぎるため、安定供給のために他の火力発電などに依存しなければならない。原発から発生する熱の3分の2は温排水として捨てられ、遠隔地にあるため送電ロスも大きい。結局、化石燃料で効率よく発電するほうが、温暖化対策としてはるかにメリットが大きくなる。

(問題点2)
原発はトイレなきマンションと呼ばれるように、世界中で核廃棄物の処分場問題を解決できた国は未だない。高速増殖炉の実用化は早くても2050年とされており、核燃料サイクルは行き詰ってプルトニウムは貯まる一方で、テロなどの危険が高まるばかりである。

(問題点3)
原発立地では、放射能による環境汚染や周辺住民の深刻な健康被害、農作物や海産物の風評被害、結婚などに際する差別など、憲法の「生存権」を脅かす問題が多いにもかかわらず、地元の人たちもメディアも情報を伝えたがらないので、その実態を知られないままである。

(問題点4)
報道写真家の樋口健二氏が伝えるように、原発内で作業する人の多くは素人で、被曝やその他の事故が多発している。

他にも原子力エネルギーに依存する問題点は多いが、紙幅もないので以上。
あらゆる角度から十分な議論がつくされることを望む。

2010年1月17日 (日)

ドイツの公共テレビ政治番組と「コペンハーゲンCOP15の舞台裏」

私が時々、ドイツの公共放送ラジオやテレビの内容を紹介するのは、
ドイツが自他ともに認める環境先進国を支える大きな役割を果たしているからです。

ドイツ人は環境意識が高いとよくいわれます。
それは、連邦政府が本格的な環境政策を始めて以来40年間、
ラジオやテレビから(活字メディアからもですが)環境問題に関する豊富な質の高い情報を得てきたためです。

ドイツの公共放送は、
戦後英国のBBCを手本に連合国によって導入され、
国家の干渉を受けず公共性に根差し、
政治的・経済的勢力の利害に左右されることなく運営されてきました。
(この点が、ニュースの論評から人事の口利きにいたるまで、長年自民党や野党の国会議員と癒着してきたNHKと大きく異なる点です!)

連邦制のドイツには、9つの州放送局(第三放送)があり、
これらが合同で「ドイツ第一放送(ARD)」と「ドイツ第二放送(ZDF)」を、
受信料によって運営しています。

以前のエントリですでに、ARDやZDFのHPで、コペンハーゲンの気候サミットCOP15に関する特集が大きく載っていることは紹介しました。

連日、特集記事の内容は更新され、
ARDとZDFを合同で運営する個別の州放送局のHPにも、
各局独自の気候変動関連情報を載せていました。
これだけでも、いかに情報が豊富かがわかると思います。

さて、今回はその公共テレビの政治番組の話です。
ARDでは、月曜日と木曜日の夜の番組枠で、
各々3つの州放送局が交替で6つの政治番組を放送しています。
これら6つの番組のほとんどは1960年代始めに開始したものです。

ZDFでも、1971年から名前を変更しながら続いている45分間の政治番組が
火曜日の夜放送されます。

連邦州によっては、右寄りの政権もあれば左寄りの政権もあるので、
左寄りの州放送局の番組が右寄りの州政権を番組中で批判し、
批判された政権から「予算を削れ」と抗議されるようなこともありました。

このように、ドイツの政治報道は、
政治の監視役としての役目をしっかり果たしながら、
戦後の民主主義を支えてきたのです。

政治番組では、当然のことながら政治家の説明責任が問われます。
自分の言葉で丁々発止の議論ができなければ、ドイツでは政治家は務まりません。

番組を制作するジャーナリストたちは、
政府のためではなく、
有権者である視聴者のための番組作りを使命とする自覚をもっています。

ですから、ある政治家が数年前と矛盾する内容の発言をしたら、
映像できちんと昔と今の発言を比較してくれますし、
役所からの文書は原則公開(ドイツでは「情報公開法」は必要ないのです)ですから、
視聴者にそのままテレビ画面で読ませてくれます。

大臣などの政治家が、説明責任を求めたインタビューを断ったら、
名前と写真入りで「断られた」と報じます。

前置きが長くなりました。
ドイツの公共放送だけでなくマスメディアについては、
また折に触れてしつこく書いていくことにします。

北部ドイツの第三放送局(NDR、ハンブルク)の政治番組で、
BBCのPanoramaを参考にし1961年にスタートした「Panorama」が
昨年12月10日に「コペンハーゲンCOP15の舞台裏」
を放送したので、ご覧ください。
ドイツの公共テレビのHPでは、
通常1年前くらいまでの政治番組を、
オンラインで見たり読んだり(!)することができます。
この点も、NHKと大違いです。

ドイツの閣僚発言などはありませんが、
ほんの少しだけ、ドイツの政治番組がどんなものかは味わっていただけると思います。

「コペンハーゲンCOP15の舞台裏」

http://daserste.ndr.de/panorama/media/panorama376_format-flashhi.html

ドイツ語なので、非常に大雑把ですが、以下に7分半くらいの番組の概要を書きます。

<ナレーター>
この人は、サウディアラビア人、モハマッド・サバーン
我が国ではまだ知られていなくても、コペンハーゲンでは誰もが知っています。
地球の大気を熱くできる一人ですから、この顔を覚えておいてください

(国際会議の通訳者たちの画面)
本来この人たちは、地球の気候を救うための提案を通訳するはずだが、
ある国の経済的な豊かさを守るための通訳をすることもある。

<サバーン> 約1分後
気候変動は本当に起きているのか?
この会議の合意によって我が国の経済が大きな打撃を受ける。

<ドイツ緑の党の議員、かつての代表団>
サウディアラビアにはこの20年間、礼儀正しくあちこちに小さな爆弾を仕掛けるようなシステムがある。

<ARDがサバーンにインタヴューを申し込んだが、「後で」と会議室へ>

<1997年京都会議でのエストラダ議長、自らの経験からサバーンのシステムについて>
サバーンのやり方は、もう長年気候サミットでいつも同じ。
30くらいのワーキンググループが同時に開かれるが、すべてにOPECから誰かしらを送り込み、包括的な合意を阻んできた。

<ナレーター>
OPECは、合意によって石油が売れなくなるからと、損害賠償を求める。

<会議室から出てきたサバーンにARDが再びインタヴューを申し込んだが、質問を振り切って逃げる>
サバーンさん、あなたはなぜ気候変動に懐疑的なのですか?・・・

<ナレーター>
サウディアラビア石油省から委託された、長年にわたって最も影響力のある妨害者。
メディアに対して内気な訳ではなく、自国のテレビには堂々と出演。

<サウディアラビア国営放送で、民族衣装を纏って語るサバーン>
先進国の唯一の目的は、我々が輸出している石油に依存しなくなることだ。

<ドイツNGO「German Watch」の環境顧問>
自分の知らないことを他の人間が知っていることに我慢がならない。個人的な苦情を絶対通したい。個人的な利害のために強引に可決させたい。

<ナレーター>
利己主義者と理想主義者の闘い

<まさにその中間にいる国連の気候保全事務局の二人>
8日以内に妥協案を見つけなければならない。誰もが取引をしたいが、取引で自国の利益を損ってはならない。非常に難しい。

そのうち政府首脳もやってくる。良い結果を出さねばと、非常に大きな信じられないほどのプレッシャーを感じている。


<もう一人の妨害者、ロシア代表団の一人>
我々の大統領が、「90年比で22~25%のCO2を削減する」と、すでにEUで表明している。

<つい最近のロシアのテレビ番組「欺瞞の歴史」>約5分後
氷山が融ける、
海面が上昇する、
旋風を伴う嵐が増える・・・
すべてあなたのせいだ。
困った? 
心配することはない。 
すべては嘘だ!

<ドイツ緑の党議員>
問題なのは、ロシアの科学者の多くが、気候変動は自国にとって良い現象だと言っていること。シベリアの凍土が融ければ、トウモロコシを栽培できると。

<ナレーター>
もう一度、ロシアの代表団に、気候変動に関して実際のところどう考えるのかを聞こう。

<ロシア代表団の一人>
気候変動は、ポジティヴなことだ。暖房費を節約できる。私たちの国は寒冷期が長いので、住宅や工場の暖房費用がかなりかかる。


<ナレーター>
節約できる暖房費、
富裕な産油国経済のための弁償費・・・
このままでは、気候サミットの交渉は、本当に決裂してしまう。

<ドイツNGO「German Watch」の環境顧問>
ある意味笑えるような、悪い冗談のようだが、サミットでは彼らは真剣に圧力をかけて具申してくる。

<ナレーター>
他の皆は、世界を救いたいが、
サバーンは、石油を守らねばならない。

他の国々は、環境分野の専門家を派遣したが、
サウディアラビアは、国民経済学者で石油省のボスを派遣した。

(以上)

2009年12月28日 (月)

コペンハーゲンCOP15-世界の社説

喉下を過ぎれば熱さを忘れるものですが、ドイツのニュースはまだCOP15を振り返っていますし、気候変動・温暖化は、COPがなくてもドイツでは毎日の政治テーマなのです。

だから私は、日本で誰も話題にしなくなったころに、しつこくブログに採り上げて思い出してもらいたいのです。

ドイツの公共ラジオが、19,21,22日と世界の新聞の社説を伝えたので、紹介します。
社説といっても、原文か原文の英訳をドイツ語に訳したものを、ドイツのジャーナリストが編集しており、それを私が翻訳したので、何重にもフィルターがかかった要約です。
それでも、すでに2007年に京都議定書の目標を達成したドイツの公共ラジオが報道した内容として、興味深いのではないかと思います。

LIBERATION フランス パリ
コペンハーゲンでの会議の準備には数ヶ月の時間があったが、実質はおそらく数年はかかっている。水を運ぶ軍隊の通り道から爆発性の衝突材料を慎重に取り除くために、よく油を注したプロフェッショナルな交渉を持ってくるべきだった。今そこにやってきたのは巨大な道化芝居で、この世界の指導者たちは、必要とされている明確で断固たる決断をする能力がないことを証明した。単に、遵守しなければならない証明書はまったくない合意で、乗り切っただけだ。
CORRIERE DELLA SERA イタリア ローマ
残念ながら、いくつかの国の政府の指導者は、面目を保つための妥協に甘んじ、ほんのわずかな前進をことさら強調したがる。すなわち、彼らにとって問題は、我々の惑星を温暖化から救うということではないのだ。出てきたものは、苦労して作った多くの張りぼての失敗作だけだった。
GAZERA WYBORCZA ポーランド ワルシャワ
2週間の毎日が過ぎるたびに、期待は少なくなっていった。最後の一縷の望みも、きのう米国のオバマ大統領が話したときに消えてしまった。会議の参加者は、オバマが譲歩し最後の瞬間にサミットを救ってくれることを期待していた。例えば、オバマはCO2排出削減のため、もっと高い目標を用意していると告げることができたはずだ。だが、米国の大統領は、新しいことは何も言わず、すでに語った要求を繰り返しただけだ。気候をめぐる難渋する対立は悲劇である。
DERNIERES NAUVELLES DALSACE フランス ストラスブール(EU議会所在地)
コペンハーゲンでは、冷戦を思い起こさせる競争意識の中で、米中という2大スーパー権力の間で最も重要な部分が進行したことが、はっきり見て取れた。中国の首相は譲歩しなかった。オバマ大統領も、すばらしい演説にもかかわらずやはりしなかった。EUは、この会議のエンジンだったはずだが、両大国に対して自己主張することができなかったようだ。
NEUE ZÜRCHER ZEITUNG スイス チューリッヒ
米国は、おそらくこの先何年もまだ京都議定書の文体を批准することはないだろう。また、オバマ大統領が提案したような、排出削減のための国内法自体、さしあたり会議中はほとんどチャンスがない。他方でまたしても中国は、外国から責任意識のある大国だと認めてもらいたいとはいえ、共産主義主導者の目標の一番上に位置するのは権力の維持なのだ。国々は共同で商談するために、時間をかけて重圧を受けながらもまとまることができるという教訓を、歴史は用意している。しかし、“コペンハーゲン”は、そのような過程は長い時間がかかるということを思い出させた。
RENMIN RIBAO 中国 北京
米国や他の国々は、貧しい国々に対して気候変動対策のための財政援助を約束はした。が、はっきりしないのは、資金がどうやってまとめてくるのかだ。おまけに、発展途上国に対して排出結果を国際的な管理下におかせるという条件までつけた。先進国と途上国は、2つの完全に異なる次元に存在している。気候改善は、まだ貧困と戦っている国々のコストで行ってはならない。途上国には非現実的な目標を義務付け、自分たちはたいした行動をとらないのだから、コペンハーゲンの気候会議は失敗するしかなかった。
STANDARD オーストリア ウィーン
それは、EUからの言うに値するような言及がない気候サミットだった。EUは、気候のための目標をかなり前に定めたし、10月には発展途上国のためのスタートアップ基金を決定した。だがそれから?指導役を引き受ける代わりに、ビッグな役者、バラク・オバマ米大統領を待つ。その代わりにEUは、他の皆がとっくに座っていた席に、引き下がってしまった。我々は、君たちも動くというのだったらもっと何かをするよ、ということだ。
LUXEMBURGER WORT ルクセンブルク
実際、これは茶番劇だ。この惑星を恐ろしい破滅から救うための拘束力のある戦略を、長期的な視野の中で共同で定義するのに、政治の指導者たちは苦労している。パーセントを値切ったとか、ある特定の期間内の具体的な目標のことで争ったとしかられる。結果は、見渡す限りのネガティヴな見出し。コペンハーゲン-大失敗?そうではない。100人を超える国家や政府首脳の参加自体が、示したのだ。特定の問題に多国間で取り組むことは、十分に一つのチャンスを持ちえることを。ただし、そのような会合も、貧しいものと富めるものの力比べや利益対立の決着の場になってはならない。世界は、喫緊の課題に対する実利的でまとまった解決策を必要としている。複数の銀行は、まさにそうやって救われたのだから。
CLARIN アルゼンチン ブエノスアイレス
デンマークの首都で2週間交渉されたが、結果は期待を大きく下回った。その際、米国の政治がブッシュの下でどんな道をたどったかを思えば、この会議に至ることができただけでも勝利である。さらに、交渉の指導者に対するすべての落胆に逆らって、会議の展開は独自の推進力を保っていた。我々は、化石燃料時代の終わりに立っており、代替エネルギー源を模索している。サミットはとりわけ、貧しい国と富める国の間に、どのような緊張関係が生まれるかを示した。すなわち、誰も成長をあきらめたくないのだ。自国の住民の大部分が、まだ一度も電気を使ったことがない限りは。ここでは、ろうそくの光は解決策としては受け入れられない。
STANDARD オーストリア ウィーン
「世界は恥を晒している」バン・キ・ムーン国連事務局長は、まるで急性の現実性喪失症にかかっているようにみえる。彼は、交渉は固まったと、コペンハーゲンの気候サミット終了後、喜んだのだ。一つの「重要な出発点」だと、彼は文書を指していった。だが、全く何も決まっていない。難しい決断は延期された。サミットの結果の中で、出発点を見つけた唯一の点は、地球の温暖化は、2℃を超えられないということだ。この世界の指導者たちは、コペンハーゲンで自分たちの責任をあからさまに顧みず、その代わり自分の経済利益を代表した-中国と米国が先頭に立って。
NOWYE ISWESTIJA ロシア モスクワ
このサミット会合は、空騒ぎで気候の茶番劇だった。この会合が、世界中のメディアから正当にこきおろされたのには理由がある。2週間、193カ国からの参加者による交渉の結果は、スウェーデン首相からさげすむように「この紙」と呼ばれた文書を受け取っただけだからだ。これで、グローバルで法的拘束力のある合意の取り決めというEUの望みは打ち砕かれた。
LIBERATION フランス パリ
EUの義務だとみる大国は、外交力がなく国家としての分別を失った祭典で、世界中で義務を負うべき、おそらくあまりにも愚直に期待をかけすぎていたコペンハーゲンでの合意をつぶしてしまった。この一つの世界政府の断念後、環境意識の高い国々、第一に欧州は、決して不確実なグローバル合意を期待してはならない。その代わり、手本となる例を示しながら、先に立って行くのだ。そして、もう一方で、必要な開発を実行に移す。そうすればEUは行動のトップに立ち、コペンハーゲンの大失敗を、ゆっくりだが確実に乗り越えていけるだろう。
EESTI PÄEVALEHT エストニア Tallinn
コペンハーゲンが具体的な成果なしに終わったことに同情を禁じえないが、理想主義的な検討だっただけでなく、明確な経済的な理由からでもある。世界中のエネルギー部門が排出を方向転換するには、数十億の投資が必要だろう。地球はエネルギー革命を必要としている。というのは、化石燃料は無尽蔵ではないという自明の理由からだ。資源が減れば減るほど、価格が上がる-そして、それによって新しいエネルギー源の必要性が高まる。
NEW YORK TIMES アメリカ ニューヨーク
グローバルな気候交渉は、大成功でも完璧な失敗でもなかった。ハードな仕事は今始まったばかりだ。ワシントンでも他の場所でも。だが、コペンハーゲンでは、もしテーマの複雑さおよび貧しい国と富裕な国の間の違いを考察すれば、達成したものはそれほど少なくはなかった。そしてその大部分は、オバマ大統領の功労である。彼は、協議が破綻寸前のときに到着し、13時間ノンストップで交渉し、中国に説教した。閉会寸前に、中国、インド、ブラジル、南アフリカの支援で、193カ国のほとんどが受け入れた合意を作り上げたのだ。
朝日新聞 日本
中国にとって経済成長は放棄できないから、温室効果ガス削減義務を避けたい。コペンハーゲンでの交渉で、北京が決定的な影響力を発揮できたのは、アメリカの指導力が不十分だったからだ。米国は、日本や欧州より低いレベルの目標を予告したにすぎない。オバマ大統領は合意に努めはしたが、中国に対して先進国の統率者として説得する役割を果たすには、足場が弱すぎた。
DE VOLKSTRANT オランダ アムステルダム
気候サミットの参加者は全員、交渉は続くことを知っている。おそらく彼らは、活動グループやNGOのような大衆の、コペンハーゲン前よりも更に厳しく批判的な視線に晒されるだろう。いずれにせよ、一つのことは達成された。もはや、気候が議題から消えることはないのだ。
THE GUARDIAN イギリス ロンドン
たとえ結果がまさに大失敗であっても、批判者たちから評価されるように、コペンハーゲンのサミットは重要な準備作業を成し遂げた。最も重要だったのは、‐対立は無益だと証明したものの-純然たる事実はそもそもそれが開催されたということだ。しかも、極めて高い政治レベルで。だからこそ将来もまたおこりうるのだ。コペンハーゲン以前は、世界の幅広い部分で、気候変動による高い複雑なリスクについてこれほど劇的に前兆を議論されたことはなかった。今、北京からブラジルまでの国の指導者たちは、脅威は明白で重大であるとみなし、個人的に会議に現れることをあからさまにやってのけたので、次回になぜそのことを気にかけないかを説明することが難しくなるだろう。加えて、コペンハーゲンの不成功という暗闇の水平線に銀色に輝く筋は、世界はモノローグではなく真のダイアローグによってのみ救うことができると、西洋が認識することである。
DAGSAVISEN ノルウェー オスロ
権力はもはや西洋のみにあるのではなく、中国、インド、ブラジルなどの国々も力を勝ち得たので、今後の気候交渉では、これ以上西に指揮を取らせはしないだろう。政府首脳は事態の深刻さを把握したのだろうかという疑問がわくかもしれない。ぎこちない国連のシステムは、多くの国々と国内利害を、世界の要望の前に置くことを可能にする。それで結局は、国々はたいてい世論が最大の圧力をかける中で力を尽くすということが、コペンハーゲンではっきりした。よい気候政策のためには、幅広い社会参加がおそらく最も重要な要因だろう。それは、政治プロセスを進行させるために、世界が数年以内に必要としていることだ。
DER BUND スイス Bern
数多くの企業は、政治活動にあまり感心しなかったようだ。彼らは自分たちの道をそのまま進むだろう。国際間の政治が一般の期待に応えなくても、それがかえって将来の気候保全がどこに向かうのかの尺度になる。それぞれの先進国や中進国の行動プログラムは、近い将来環境技術を導入しその需要を高めていくことを、何はともあれ示唆している。気候保全における最大の効果は、きっと国や産業界がその方向をめざしていると感づくことだろう。そうすれば彼らは、勝者に属する。
SYDNEY MORNING HERALDオーストラリア シドニー
中国が勝ち、世界は負けた。これがコペンハーゲンからの主なニュースだ。バツが悪いことに、アメリカ人たちが彼らの努力の代償に受けとったすべてのものは、中国が求めたものをすべて認めるという、一つの説明だけである。サミットは、反西洋、反資本主義の雄弁術で茶番劇に落ちぶれてしまった。最初から最後まで、中国から巧みに指導されてきたグループ77は、何をしているかもわからない徒党であると、正体を暴かれた。
JAKARTA POST インドネシア ジャカルタ
途上国支援のための気前の良い財政援助の合意はあった。森林を守ったり産業を排出削減の道に導くための。しかし、金だけでは効き目がない。法的拘束力をもつ合意がなければ、会議は大きなチャンスを台無しにする。
LIANHE ZAOBAO シンガポール
サミットは一つのことを示した。この世界には、富裕な国々の良心に訴えかけるために十分に権威をもった組織がないということを。次世代以降に生存可能な地球を残すためには、彼らの貪欲な生活スタイルをあきらめなければならないと、誰もはっきりと分からせることができない。
HÜRRIYET トルコ イスタンブール
気候会議は失敗したが、悲観主義の原因ではない。たとえ国々の合意はなくても、従来の駆動方式の車の台数は減るだろう。2030年には30%の自動車は電気で走るべきだ。“緑の経済”の躍進を阻止することはできない。
LE MOND フランス パリ
世界気候サミットは華々しく失敗した。だが、何も起こらなかったと推定するのは間違いだろう。この失敗は、きっと将来の成功の鍵を生み出すことができる。皆が落胆したなら、この次は今度こそ成功する会議を要求するだろう。
DOMINION POST ニュージーランド ウェリントン
グローバルな温度上昇に歯止めをかけるための緊急性を単に認めるだけの合意は、商談のための要求ではない。それは、不成功を取り繕うための恥部隠しにすぎない。会議のわずかなポジティヴな面の一つは、一つの研究提携だった。取りも直さず、ニュージーランドが発議し、気候に有害なガス削減の農業における意義を研究するのだ。これは、わが国の排出量のほぼ半分にあたる。20カ国の研究者が提携することによって、具体的に前進する。
THE KOREA HERALD 韓国 ソウル
我々の国は、今の気候保全目標の実現をこのまま続けていけばよい。韓国は、京都議定書に拘束されていないが、すでに数ヶ月前に政府が自発的に2020年までに2005年比で4%削減すると告げた。これは、世界気候委員会が国々に我々のような目標を奨めたほど大きな決断だ。
ジンバブエ国営新聞 THE HERALD ジンバブエ Harare
ずっと村八分にされていたジンバブエのRobert Mugabe大統領は、コペンハーゲンで、資本主義の神々がCO2のげっぷでアフリカに住む人間を殺したと悪態をついた-新聞の意見:人権の師であり人間の健康の面倒をみるという西洋諸国の要望は、中味のない無駄話であったことが証明された。沈没の危機に晒されているすべての国を救うことを自ら義務付けることもできなくて、どうして福祉などといえるだろうか。一連の島々が、さほど遠くない将来、海中に沈んでしまいそうなのだ。Mugabe大統領は、歯に衣着せないことで知られているが、改めて抑圧されたものの声を表明した。

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2009年12月26日 (土)

コペンハーゲンCOP15各国の声明  -雑感

世界100カ国以上の国家元首・閣僚の声明内容を読んだのは初めてでしたが、人柄がにじみでた名演説も少なくありませんでした。学校での地球温暖化に関する授業では、このような世界会議での生の演説を読ませるべきだと思います。

声明では、小さな国で気候変動の影響を大きく受けつつある国ほど、「一つの惑星」「子どもたちの未来」「将来の世代への責任」「人類の生存」といった言葉を多く使っていたようです。

彼らの危機感を共有するためには、かの国々の現状をもっと知らねばなりません。私が新聞社の社長だったら、演説をすべて号外として印刷し、NHKの会長だったら、実況中継が無理でも、毎日15分ずつ通訳つきで各国の声明を放送したいところです。環境先進国ドイツでさえさすがにそこまではしませんでしたが、それでも連日、ニュースは朝から晩までまずCOP15で始まり、活字も映像もメディアは多くの特集を組みました。

ドイツでは、メディアがそうした情報を極力多く提供しようと努めていることは、以前のエントリでドイツの公共放送や新聞の特集画面を紹介したのでわかると思います。もっとも、ドイツの国自身、アルプスの氷河の融ける速度が予想以上に速くなっており、氷河がなくなったらライン川の水が激減するとか、毎年のように暴風や洪水の被害が発生しているとか、途上国の現状を知るまでもなく十分危機感はもっています。

一方、せっかく鳩山政権が高い削減目標を掲げたのに、日本では世界の気候変動に関する情報が少なすぎます。その代わり、「エコ亡国-地球のために日本を潰すな」(日経ビジネスオンライン)のような見出しに代表されるように、一世帯当たりの負担額が増えるとか削減にかかるコストが他の国より多くて不公平とか、なんとか削減目標値を低くしようとする大合唱ばかりが目立ちます。

岡田外相がこのような論調に対して、「今回(COP15で)合意ができなくて良かったと、胸をなで下ろす向きも国内にはありますが、これは決してそうではありません。やはり、しっかりと温暖化対策を世界で協調してやっていくということが、次の世代に対する責任を果たすことになります」と釘をさしていますが、まだまだ鳩山内閣の気候変動政策は手ぬるいと思います。これについては、またいつか詳しくふれます。

さて、COP15が終わった数日後、EUでは環境相の会議が開かれ、ドイツの環境大臣が、EUと考えの近い国々と同盟を結んで歩調を合わせていくべきだと提案しました。そこで挙がった国の名が、オーストラリア、韓国、日本です。では、これらの国々の声明を再現してみましょう。

日本環境相 Mr. Sakihito Ozawa
「枠組みに合意しに来ました。この合意は、すべての主たる排出国が、責任を果たすものです。この目的のために、日本は 2020年までに 25% の削減を明言しました。公正で有効な 2012年以降の枠組みを、野心的なターゲットに則って作りましょう。昨日、鳩山イニシアティブのもとで、2012年まで150億ドルの支援をすることを決めました。2012年以降も、資金を確保して行く所存です。2010年、日本は、COP10 - 生物多様性の会議をホストします」

韓国大統領 Mr. Myung-bak Lee
60億人が見ています。落胆させることはできません。ともに行動しましょう。我々は、自発的に、国際社会で認められた最も高いターゲットを目指します。気候変動に対しては、我々は迅速な動きをします。どのように温室効果ガスを削減しますか。"どのように" です。"どのくらい" も大事ですが、むしろ "どのように" 我々は排出を削減し、同時に我々の経済を維持するのか。より多くの職を作り出すのか。それが大切です。我々の GGGI は国際的シンクタンクとして貢献します」

オーストラリア首相 Mr. Kevin M.Rudd
「この世紀の歴史が書かれるとき、この会議にはひとつの章が割り当てられるべきでしょう。国粋主義にとらわれていた過去を離れ、未来への共通の取り組みを始めるのです。この責任を果たし、人類の様々な物語の中において、こどもたちへ、孫たちへと語り継ぐのです。これは偶然の集まりではありません。科学が私たちの前に提示した現実を見ましょう。先進国は、温室効果ガスの蓄積に対して歴史的な責任を持ちます。この惑星がいま、抱えている問題に対して私たちが取り組まないとしたら不正なことです。2050年には 3.24、あるいはそれ以上の気温上昇が起こります。残り少ない時間の中で何を行うべきなのでしょう。100万の言葉が費やされました。しかし、語るのは止めて、仕事を始めるときです。ペンを置いて、我々の間の違いを埋めるときです。5Gt の削減を行うときです。今後3年の資金援助の合意はもうできています。その次に続く7年間も。コミットメントするのか、しないのか。決断のときです。論点はあります。現在のドラフトには 102個のブラケットがあります。そこを議論しなければならない。行動しないという決断が勝ることを恐れています。帰結は莫大なものになります。ツバルが沈むかも知れない。チベット高原の氷が溶けるかも知れない。アフリカの農地が破壊されるかも知れない。グレートバリアリーフが無くなるかも知れない。今、ここで、コペンハーゲンで、決断しなければなりません。私の友人、グレイシーは書きました。「コペンハーゲンでは、みなさんに強くあって欲しい」キャンベラに住む、6歳の女の子です。世界の小さなこどもたちが、望んでいます。世界のリーダーたちに問いかけたい。今週末、家庭に戻ったとき、自分が持てるすべての力を発揮して、気候変動の危険に立ち向かったと、自分のこどもの目を見て言い切れますか」

この3国だけでなく100を超える声明を比べてみて、日本の声明はずいぶん見劣りすると感じたのは、私だけでしょうか。
経済産業省、環境省、外務省、・・・いったいどの省が主導して書かれた声明でしょうか。まさか、小沢環境相が自分で書いたとは思えませんが・・・。
支援金額を明示したのは、たしか日本だけです。何でも「カネ」で解決しようとするような声明が、情けなく思えます。
来年の生物多様性の会議COP10のホスト国はいいですが、EUと米国が主導で進む会議の流れについていけなかった温暖化防止京都会議の二の舞にならないことを祈ります。
なにしろ、COP15にしてもCOP10にしても国内の政策すら満足にできてないのですから。

韓国のことは詳しくないので置いといて、私はオーストラリアのラッド首相の絶大なファンです。彼の演説に大きな拍手を送りたい!

彼は、2007年に11年間続いた保守連合政権を倒して、政権交代を実現させました。
当時のオーストラリアは株価が毎年20%ずつ上昇している好景気で、前政権は失業率も半分以下に改善していたのです。 
それでも、オーストラリアの有権者たちは前政権ではなく、労働党のケビン・ラッド党首が掲げた「イラク駐留オーストラリア軍の早期完全撤退」と「地球温暖化防止のための京都議定書の批准」のほうを選択しました。
オーストラリアの有権者たちにとって、目先の景気よりも、大儀のない戦争に反対することや、未来の子どもたちのための気候変動対策のほうが、重要だったわけです。

このように、ラッド首相の言葉には、有権者に彼を選択させ得た重みと説得力があります。

どうか、彼の感動的な演説を、もう一度じっくりと味わってください!

ドイツの環境大臣が提案したように、日本政府がEUや韓国、オーストラリアと同盟を結んで気候変動政策に取り組む日が早く来ますように・・・!

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2009年12月23日 (水)

気候サミットCOP15各国代表の声明  -最終弾

斉藤賢爾氏(Webhttp://www.accianco.jp/)がコペンハーゲンからTwitterで実況翻訳してくださったCOP15での各国代表の声明最終弾です。斉藤氏は、翻訳の正しさは保証していないという但し書き付で転載を快諾してくださいましたので、改めて御礼を申し上げます。
斉藤氏がコペンハーゲンから帰国後に補足された、実況できなかった声明も転載したつもりですが、もし不備があれば私の手落ちですので、何卒ご容赦ください。

(以下順不同)
クック諸島首相 Mr. Jim Marurai
「キュラ、と我々の言葉で挨拶させてください。みなさんが生き続けられますように、という意味です。グレナダの声明を支持します。この会議は、クック諸島の人々にとって、希望を表します。土地を失い、生活と文化、そしてアイデンティティを失っている人々がいます。その問題自体には貢献していなくても、被害を被っています。その科学は明確です。今こそが、真剣な行動のための時です。我々の生存の権利を尊重してください。法的拘束力のある合意を望みます。排出を削減し、適応の支援をするという合意です。我々が失うものは大きく、倫理的に受け入れられないものですし、不正義です。希望を、確定に変えましょう」

ジボチ首相 M. Dileita Mohamed Dileita
「アフリカが特に脅威に晒されています。我々の開発の努力に、1,000年の計画に立ちはだかるものです。干ばつと洪水が多くの人々とインフラストラクチャに被害を与えています。問題は、水が少なくなり、より塩分が濃くなるということです。すべての国々が、程度の差こそあれ、気候変動の被害を受けます。リーダーたちは、その事実を認めなければなりません。今こそが、行動の時です。こどもたちと孫に、持続可能な環境を渡しましょう。コペンハーゲンが実際に HOPENHAGEN であることを願います。適応がわが国の緊急の課題です。技術的資金的リソースの不足により、それがうまく進んでいません。長期的な適応ができるように支援を。特にアフリカの国々に、最も発展途上な国々に、注意を向ける必要があります。バランスのとれた合意を。京都議定書の維持を支持します。そこに先進国のさらなるコミットメントを加えてください」

ニウエ首長 Mr. Toke T. Talagi
AOSIS にわが国の立脚点があります。不確定さと恐れがあります。それに乗じて世界的な不協を煽る動きもあります。それはよいことではありません。この立場に、この時に置かれていることは、不利なことです。時間は限られています。気候変動が、リーダーにとって最悪のときか。あるいは、最高のときかも知れません。惑星のためのベストな合意を得ることができるかも知れません。そのための歴史的な決断を下せるのです。懐疑は、この時点では誰も望んでいません。地球が、そのアジェンダに従って、存在し続けられるように。地球自体は、我々の行動に適応していくでしょう。我々の強欲が、持続的でない開発を正当化しており、そのことに、地球は適応しているのです。我々は、起こるべきして起こることを加速しているだけなのかも知れません。洪水と、海面の上昇、サイクロン、山火事。気候は変化し続け、一方、我々は何も変わっていないかのようです。責任ある、意味ある行動を。語るだけではなく、行動です。意味ある行動を起こせないと考えている人たちに、あなたたちは間違っていると伝えましょう。私たちのこどもたちが、過去を振り返り、私たちが正しい選択をしたと思えるように。2020年までに、1.5 以下の気温上昇を実現できるようにしましょう。再生可能エネルギーに転換していきましょう。目的を見失わないように、合意を法的拘束力のあるものにしましょう」

エジプト外務相 Mr. Ahmed Aboulgheit
「途上国が、責任ある先進国の支援により気候変動の悪影響を緩和できるように。成功は、公正でバランスのあり野心的な合意を得られるかどうかに掛かっています。共通の、しかし差のある責任に基づいてです。行動と言動が一致することです。先進国が京都議定書の第2コミットメント期間において、排出の削減に具体的目標を持つことです。途上国が自発的に緩和策を登録できるようにすることです。わが国は再生可能エネルギーへの転換を図り、2020年までにエネルギー消費の 20% を転換します。

ボツワナ環境および野性生物と観光大臣 Mr. Onkokame Kitso Mokaila
「わが国は温暖化と気候変動の影響を受けています。干ばつがより頻繁に起き、ひどくなっています。健康、水、観光、インフラストラクチャへの影響を計測する必要があります。健康に関しては、マラリアの蔓延があります。適応していかなければなりませんが、持続的な新しい (付け替えでない) 資金が必要です。わが国は京都議定書には含まれていませんが、低炭素社会への移行を図ります。2 の気温上昇でどのような影響があるか。先進国にはよく検討して頂きたい」

カタール環境大臣 Mr. Abdullah ben Mubarak Al-Maadhadi
「温暖化と気候変動に対しては緊急の対策が必要です。わが国は環境保護の国際的な協調に参加します。特に途上国の支援が必要であり、枠組み協定と京都議定書での完全なコミットメントを期待します。再生可能エネルギー、特に太陽光に期待しています。産業と研究に力を入れています。生産と消費の効率化に努めています。日本とも協力しています。COP18 をホストする公式な提案を行いました

スリランカ環境および自然資源大臣 Mr. Patali Champika Ranawaka
「南アジア地域の、アフガニスタン、ブータン、バングラデシュ等と協調しています。島々は海面上昇の危険に晒されており、山々と河川も水の危険に晒されています。ヨーロッパは野心的な排出削減を行うべきでしょう。スリランカは海面上昇とサイクロンに悩まされています。洪水と干ばつにもです。2,500年の間、持続的に続いてきた文明がありますが、今、危険に晒されているのです。わが国ではグリーンランカ・プロジェクトにより持続可能性への道を歩んでいます。資金援助が必要です。協定と京都議定書の長期的なゴールが満たされますように。

ウガンダ治水および環境大臣 Ms. Maria Mutagamba
「途上国の未来は、ここでの決断に懸かっています。気候変動は、リアルであり、予測よりも早いペースで起きています。科学は、決定的な行動が数年でも遅延すれば、長期的な適応に大きな影響が出てくると予測しています。ここ、コペンハーゲンで歴史的な、確定的な行動を起こす必要があります。それにより、私たちの未来の世代の生存が可能になるのです。明日ではなく、今日が、行動を起こすときなのです。世界が、私たちの行動を目撃できるようにしましょう。アフリカは、大きな経済的影響を受けています。何十億ドルにも値する損害が既に出ています。ひどい水不足が起きています。ウガンダでもです。だからコペンハーゲンに来て、長期的な協調行動に参加しに来たのです。技術の発展と移転が必要です。デジタル技術の発展からも学び、国際的な協調、政府、NGO等が一丸となって、適応を進める必要があります」

インド環境および森林大臣 Mr. Jairam Ramesh
「マハトマ・ガンジーの教えは今でも我々を導いています。わが国では、8つの項目と24のイニシアティブからなる国家計画により、気候変動に対する対策を行っています。それは太陽光発電や高山における適応計画を含みます。気候変動に係わる観測ネットワークも持っており、2011年には独自に打ち上げる人工衛星による観測を始めます。わが国は CDM の大きな担い手であり、すべてのプロジェクトが認められるのなら、京都議定書のゴールを達成できます。わが国のガバナンスは環境を強く意識しており、NGO やメディアの監視の下で政策を実施しています。インディラ・ガンジーは 37年前、ストックホルムで演説をしました。その実現に今、我々は向かっており、常にその努力を続けます」

ソロモン諸島環境、保護および気象大臣 Mr. Gordon Darcy Lilo
「グレナダ、レソト、スーダンの声明を支持します。我々、AOSIS そして最も発展途上な国々にとって、コペンハーゲンでの決定が未来を決めます。先進国の歴史的な責任が倫理的にも問われることが、この枠組みでは公式に述べられています。気候変動は、国境を知りません。国々の協調の中に、弱い繋がりを作ることはできないのです。1.5 よりもずっと低い気温上昇に抑えましょう。勇気ある行動を。生存は交渉の対象ではありません」

ペルー環境大臣 Mr. Antonio Brack
「気候変動への対策に関する合意は、もはや遅らせることはできません。わが国でも、経済、健康、食料セキュリティに大きな影響が生まれます。わが国は気候変動の悪影響に対して脆弱です。弱い合意では納得できない。2020年までに 45%2050年までに 95% の削減にコミットしなければなりません。わが国のような途上国は、2050年までに 40% の削減を努力すべきでしょう。COP14 で、わが国は 2020年までに森林縮小をゼロにする宣言をしました。そのための独自の基金を作り、また、国際的にも協調しています。わが国は、これらの活動により、この問題に取り組む決意を見せているといえるでしょう。他国もぜひ、続いてください」

シエラレオネ エネルギーと水資源大臣 Mr. Ogunlade Robert Davidson
「嵐、洪水、干ばつに悩まされています。マラリア、コレラ等の病気、海岸線の侵食にもです。早期警告に反応できるシステムが必要です。再生可能エネルギーへの転換も始まっています。炭素シンクとしての森林の保護にも自発的にあたっています。2 以下、できれば 1.5 以下の気温上昇に抑えましょう。CDM と京都議定書を、それを必要としている人々にとってより反応のよいものにしましょう」

ウルグアイ住宅、土地計画および環境大臣 Mr. Carlos Colacce
「わが国は協定と京都議定書の目的を全面的に支持します。気候変動による悪影響の存在は、証明されています。日々、起きているからです。農業が特に影響を受けています。わが国の 70%以上の国民は海岸に住んでおり、影響を受けます。わが国の温室効果ガスの排出レベルはとても低いものですが、緩和策に自発的に取り組んでいます。エネルギー取得方法の転換。6% の電気はすでに再生可能エネルギーに依ります。アメリカ大陸で最も高い割合です。経済的影響の調査も完了しました。我々の経済的状況では最大の努力を払っていますが、必要な資源と技術を得るためには国際的な協調が必要です。ここには、合意に来ています。政治的責任を、経済的責任を、環境的責任もそうですが、倫理的な責任を果たしましょう」

チュニジア環境および持続可能開発担当大臣 Mr. Nadhir Hamada
「農業と食料セキュリティに関わる取り組みをしています。20% のエネルギー節約。政府がこの問題にどれほど真剣に取り組んでいるかを示しています。もう待つことはできません。効果的な行動を始めるときです。みなさんに、特に途上国が貧困や飢餓による影響を最小化できるような合意への努力をお願いしたい。温室効果ガスの削減を約束する国際的な合意は難しいかも知れませんが、それができなければ、大変な悪影響があります。2020年までに 40%2050年までに 90% の削減が必要です。洪水、干ばつへの対策、飲料水の確保のためにそれが必要なのです」

ポーランド環境副大臣 Mr. Bernard Blaszczyk
200912月、コペンハーゲンのカウントダウン時計は、ゼロを刻みました。野心的な合意を。開会式で事務局長がクリスマスケーキに喩えたように、完遂しましょう。温室効果ガス削減の野心的なゴールが必要です。途上国にも緩和と適応の努力が必要です。先進国による援助も必要ですが、EU にはすでに公正な負担を行う準備ができています。世界のリーダーたちは、コペンハーゲンからお土産を持たずに帰ることはできません」

シリア環境問題大臣 Ms. Kaoukab Alsabah Daya
「わが国では、継続的な干ばつが、農業への深刻な影響を及ぼしています。ほとんどの都市が、水の不足に悩んでいます。イスラエルがコントロールしているからです。わが国は、パレスティナからの難民も多く抱えています。イスラエルが水をコントロールしていることで、脆弱性が増しています。わが国は、持続性のある開発と、国際的な正義の実行に努めています。公正で、野心的な、科学に基づき、共通のしかし差のある責任を全うするための法的に拘束力のある合意を望みます。それが透明なプロセスにより成されることを。適応資金を。特に、占領下にある地域への援助を願います」

パレスチナ首相 Mr. Salam Fayyad
「遅いですので、読み上げる声明は短くしますが、声明のすべての文章を記録に残してください。わが国は民主的なコミットメントを望んでいます。わが国にとって、気候変動は、大きな問題のうちのひとつです。占領下にあることで、困難さは増しています。水を含む自然資源が不足しています。家庭で、産業で、農耕で、水が不足しています。ガザは、その意味で特に脆弱です。海面上昇にも直面しています。食料セキュリティが危機に晒されています。イスラエルによる占領の影響のひとつでもあります。気候変動の問題への対策は国際的に優先順位の高いものです。わが国は国際的な貢献をしたい。しかし、現状、CDM への申請ができません。UNFCCC を平等なパートナーとして、取り組んでいきたい。自分たちと、未来の世代のための責任を果たすのです。どのコミュニティも取り残されてはいけません」

インドネシア大統領 Mr. Susilo B. Yudhoyono
100を越える国々のリーダーは、ここに失敗しに来たわけではありません。ここにはひとつのことをしに来ました。2010年に、法的な拘束力のある合意に署名する準備に来たのです。共通の、しかし差のある責任に基づいて。温暖化をスローダウンし、そして止めなければなりません。緩和や適応や技術移転の努力は、資金がなければ無意味です。それは、政治的な意志の問題でしかありません。科学は、先進国だけが対策するのでは間に合わないことを示唆しています。途上国もまた、努力する必要があります。途上国が参加しない限り、我々の戦いに勝利はあり得ません。わが国は、国際的なメカニズムにより、我々の取り組みを透明にして進めます。透明さを避ける理由はありません。途上国の森林保護は、この地球規模の問題を解くための鍵です。この意味で、資金は重要です。REDD+ が大切です。日本も含め、協調します。他の国々の参加を歓迎します。ドグマと対立の時期ではありません。解決の時期なのです。コペンハーゲンで締結しましょう」

ブルキナファソ大統領 Mr. Blaise Compaore
「バリで始まった 2年間の困難な交渉を通して、アフリカをはじめ、様々な国々の努力が実りつつあります。激しい気候、強風、干ばつ、2009年の9月にはひどい洪水がありました。暗い、気候上の未来の不安をかかえた我々には、気候の正義を貫く正当性があります。2020年までに 40% の削減、そして 1.5 以下の気温上昇をゴールとして提案します。台湾はこの試みに参加するべきでしょう。コンゴの森林は保護されなければなりません。サヴァンナの維持もです。この気候変動は持続可能な開発へと向かう機会です。すべての国々が参加すべきです。わが国も様々なパートナーシップによる努力を続けています。NAPAS を含めて。京都議定書の第2コミットメント期間を。コペンハーゲンは失敗してはいけません。歴史的責任のある工業国に訴えたい」

クエート首相 Sheikh Nasser Mohammed Al-Ahmad Al-Jaber Al-Sabah
「平和がみなさんの上にありますように。このレベルでの国際的な参加があることを嬉しく思います。我々の業は神の信用を失わせ、こどもたちが健康に育つをことを阻害しています。この会議で人類全体への幸福がもたらされる合意が達成できることを望みます。しかし、国際的な貿易に対して悪影響のないことを望みます。CCS (Carbon Capture and Storage) は、私たちの野心を実現するための道具となるでしょう。尊い目的を達成しましょう。わが国は排出の削減を望みますし、自発的に我々の能力に基づいて、石油の精製の向上などの努力を行っています。エネルギーの効率性を向上させる努力もあります。それにより石油の使用を少なくできます。代替エネルギーへの転換は、わが国にとっても最高の優先順位を持つものです。核エネルギーも代替エネルギーのひとつと考えています。世界の研究機関とともに研究を続けていきます。先進国には資金援助の拡大を望みます。この会議で合意される結論に関わらず、人類には困難が待ち受け、尊い目的を達成しなければなりません。わが国のセキュリティ、安全も守らなければなりません」

オーストラリア首相 Mr. Kevin M.Rudd
「この世紀の歴史が書かれるとき、この会議にはひとつの章が割り当てられるべきでしょう。国粋主義にとらわれていた過去を離れ、未来への共通の取り組みを始めるのです。この責任を果たし、人類の様々な物語の中において、こどもたちへ、孫たちへと語り継ぐのです。これは偶然の集まりではありません。科学が私たちの前に提示した現実を見ましょう。先進国は、温室効果ガスの蓄積に対して歴史的な責任を持ちます。この惑星がいま、抱えている問題に対して私たちが取り組まないとしたら不正なことです。2050年には 3.24℃、あるいはそれ以上の気温上昇が起こります。残り少ない時間の中で何を行うべきなのでしょう。100万の言葉が費やされました。しかし、語るのは止めて、仕事を始めるときです。ペンを置いて、我々の間の違いを埋めるときです。5Gt の削減を行うときです。今後3年の資金援助の合意はもうできています。その次に続く7年間も。コミットメントするのか、しないのか。決断のときです。論点はあります。現在のドラフトには 102個のブラケットがあります。そこを議論しなければならない。行動しないという決断が勝ることを恐れています。帰結は莫大なものになります。ツバルが沈むかも知れない。チベット高原の氷が溶けるかも知れない。アフリカの農地が破壊されるかも知れない。グレートバリアリーフが無くなるかも知れない。今、ここで、コペンハーゲンで、決断しなければなりません。私の友人、グレイシーは書きました。「コペンハーゲンでは、みなさんに強くあって欲しい」キャンベラに住む、6歳の女の子です。世界の小さなこどもたちが、望んでいます。世界のリーダーたちに問いかけたい。今週末、家庭に戻ったとき、自分が持てるすべての力を発揮して、気候変動の危険に立ち向かったと、自分のこどもの目を見て言い切れますか」

ギリシャ首相兼外務相 Mr. George Papandreou
「世界が合意するということは、簡単なことではありません。今、私たちは、地球規模の合意を形成することのメイキングを見ているのです。船舶からの排出も減らします。IMO で検討しました。EU 30% の削減を約束するでしょう。アメリカにはさらに野心を持って欲しい。洪水やその他の激しい気象から国々を守りましょう。2 以下のリミットを守るなら、グリーンな経済に移行しなければなりません。エコ基金を設立しましょう。しかし、お金の話ではありません。古い車に、もっと馬力を持たせても仕方ありません。変わらなければならないのです。教育をしましょう。民主主義を育てましょう。社会全体がもっと参加するように。先進国が、途上国が、最も発展途上にある国々が、ともに進んでいかなければなりません。人類が、寄生体のように死ぬのか。それとも、協調によって、新しい合意を国々の間に、人々の間に形成できるのか。世界を、こどもたちを、悲しませないようにしましょう。夢を確実なものにしましょう。今こそ行動を」

アルバニア首相 Mr. Sali Berisha
「先進国よりも 5倍も低い排出しかしていないのにも係わらず、わが国は気候変動の影響を受けています。グリーンな技術によって、炭素フリーな経済を作っていかなければなりません。わが国を、地域におけるグリーンなスーパーエネルギー生産国に変えようとしています。440基の水力発電施設を作ろうとしています。国際的に協力を頂きたい。地域全体にとって利益のあることです。風力発電施設も造ります。バイオマスも。このサミットを通して、経済機関がプロジェクトを始めることを期待しています。新しい産業革命です。古い革命での技術は失敗に終わったと言えます。グリーンな革命が始まりつつあります。わが国の国土の 2/3 は森林に覆われています。この保護にもあたります。わが国は環境保護への貢献にコミットしています」
(
斉藤氏のコメント:ちなみに、大規模な水力発電は温室効果ガスの削減には貢献しない可能性があります。ダム湖に水没した植物から温室効果ガスが発生するためです。)

日本環境相 Mr. Sakihito Ozawa
「枠組みに合意しに来ました。この合意は、すべての主たる排出国が、責任を果たすものです。この目的のために、日本は 2020年までに 25% の削減を明言しました。公正で有効な 2012年以降の枠組みを、野心的なターゲットに則って作りましょう。昨日、鳩山イニシアティブのもとで、2012年まで150億ドルの支援をすることを決めました。2012年以降も、資金を確保して行く所存です。2010年、日本は、COP10 - 生物多様性の会議をホストします」

以上

なお、私の独断で日本の声明は最後に掲載しました。

個人的な感想がいろいろありますが、とりあえず声明の最後までの掲載を急ぎたいので、別のエントリで書きます。

<お詫び>外部文書を使って記事を作成する勝手がよくわからず、エントリごとにフォントや行間などがまちまちで、お見苦しい点をお詫びいたします。原因も対処方法もわかりませんので、そのままになっています。

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気候サミットCOP15各国代表声明  -第4弾

斉藤賢爾氏(Webhttp://www.accianco.jp/)がコペンハーゲンからTwitterで実況翻訳してくださったCOP15での各国代表の声明第4弾です。斉藤氏は、翻訳の正しさは保証していないという但し書き付で転載を快諾してくださいましたので、改めて御礼を申し上げます。また、会議中音声が途切れた場合などもあり、完全ではないこともご承知おきください。

(以下順不同)

ガーナ大統領 Mr. Evans Atta-Mills
「気候変動が脅威であるか、議論をしにここに来ているのではありません。もはやそれは事実です。政治リーダーとして、その状況下で、今、生きている世代、そして次の世代が、生き続けられる世界を作るための選択をしに来ているのです。この惑星に予備はありません。わが国は、この惑星の上で我々が生き続けるためのいかなる決断をも支持します」

セントキッツ・ネイビス首相兼外務相 Mr. Denzil Douglas
「わが国は世界で最も小さな国のひとつです。温室効果ガスの過剰な排出により、国々の国土が消えようとしています。温暖化がわが国のような小国に与える経済的影響は破壊的です。公正に、技術的支援を要請します。法的に拘束力のある合意を。350ppm という CO2 濃度を AOSIS が提言しているのは、生存のためです。選択肢はどんどん少なくなってきています。わが国のような小さな島国に対する平等性の確立は、優先順位の高い事項です。台湾もこの世界の取り組みに参加すべき。コペンハーゲンでの決定は、緊急に必要とされています。責任を明確にしましょう。行動を起こすか起こさないか、その差はわが国にとって非常に巨大です」

ポルトガル首相 Mr. José Sócrates
「この会議は気候変動という脅威に対し、公正な対応を義務づけるための機会です。我々の一部にだけ責任を認める合意であってはなりません。EU は強い決定力をもって、この問題に取り組んでいます。2020年までに 20-30% の削減、そして資金援助をします。これは新しい経済への取り組みです。グリーンな経済への転換です。低炭素の未来への貢献をわが国は果たします。エネルギーの転換はわが国にとっても重要な課題です。電気自動車のためのネットワーク整備を行っています。エネルギー革命への対応です。ポルトガルは先進国の中でも気候変動に対する 12 のトップポリシー国に選ばれています。全員が勝者になるために努力しましょう」

赤道ギニア首相 Mr. Ignacio Milam Tang
「途上国は他の国々よりも苦しみます。責任とは無関係にアフリカは苦しむのです。生態系の保護を司る我々には、それなりの支援が必要です。バリ行動計画に従う、先進国のコミットメントを望みます」

フランス大統領 M. Nicolas Sarkozy
「科学者は、我々に、何をすべきかを教えました。そして、我々が、それができる最後の世代だということも。失敗は許されません。これは温暖化のシンポジウムではありません。我々は、ここに、決断を下しに来たのでしょう。真摯に交渉しましょう。もう 24時間も残されていません。本当の、決断を下すための作業をしましょう。ヨーロッパは、大きな責任を果たします。アメリカは、より大きな責任を果たすべきです。中国はどうですか。そして、アフリカのみなさん。合意がなければ、あなたたちが最初に苦しみます。2℃の上昇。80% の削減が必要とされている。時間は、我々に味方していません。交渉の席につきましょう。今夜、激しく交渉しましょう。歴史的な責任のある決断の時なのです」

シンガポール首相 Mr. LEE Hsien Loong
「途上国の成長がなければ、緩和も適応もありません。しかし、途上国も責任を果たす必要があります。新たな問題を生むわけにはいかないからです。排出削減は、現実的に、差をつけて考えるべきでしょう。エネルギー消費を効率化する提案もここではよく聴きます。わが国は独立以来、温室効果ガスの排出削減に努めてきました。緑化や、天然ガスの発電利用などを通してです。これまで、交渉は国ごとの緩和の努力の差に焦点があったようです。強いリーダシップを持って、集合的責任を果たしていきましょう」

トリニダード・トバゴ首相 Mr. Patrick Manning
「最も脆弱な国々にとって生存の問題です。リーダーとして合意を持ってここを去ることにしましょう。京都からコペンハーゲンへの遷移を速やかに。ゴールはすべての国々が、今、行動を起こすことです。CCS と他の技術を認めましょう」

マルタ首相 Mr. Lawrence Gonzi
「わが国は EU の同胞とともに貢献します。ANNEX I にマルタの名を加えることを提案しました。温室効果ガスを削減し、再生可能エネルギーへの転換を行い、エネルギー消費の効率化を行います。わが国は水資源の不足に対する対策を練っています。気候変動は、脅威の増幅器です。特にアフリカの国々への資金援助と能力育成に貢献します。科学の提案に基づく排出削減を行います。人類のこの共通の課題に対して共通の取り組みが必要です。今が行動するときです」

スペイン政府大統領 Mr. José Luis Rodríguez Zapatero
「一日の終わりに合意を得に来ました。科学的な結論に基づいたものです。科学的な予測に基づいて回避し、持続的な開発をしましょう。石油の時代は終わり、新たなエネルギーの時代、再生可能で、民主的なエネルギーの時代です。それは世界にバランスをもたらすものです。アメリカも中国も、失敗は許されません。彼の責任を果たさなければならない。EU 2020年までに 30% 削減します。スペインも負担を負います。この会議は私的な資本主義の戦いの場ではありません。科学技術的な信用に基づいて選択を行う機会です。コペンハーゲンで失敗すれば、全員が負けます。一緒に救いましょう。地球は誰のものでもありません」

韓国大統領 Mr. Myung-bak Lee
60億人が見ています。落胆させることはできません。ともに行動しましょう。我々は、自発的に、国際社会で認められた最も高いターゲットを目指します。気候変動に対しては、我々は迅速な動きをします。どのように温室効果ガスを削減しますか。"どのように" です。"どのくらい" も大事ですが、むしろ "どのように" 我々は排出を削減し、同時に我々の経済を維持するのか。より多くの職を作り出すのか。それが大切です。我々の GGGI は国際的シンクタンクとして貢献します」

ブラジル大統領 Mr. Luiz I. Lula da Silva
「温暖化への対策は、集合的な活動でなければなりません。50% の削減を 2050年までに。ここコペンハーゲンには、より野心的なターゲットを狙う必要があります。この会議はゲームではありません。カードを隠すゲームではない。途上国も緩和のための努力を払わなければなりません。エネルギー生産方法の転換をわが国も図ります。駆け引きをするために言っているのではない。私たちのコミットメントなのです。適応は、アンフェアなことに、特に小さな島々にとって、大きなチャレンジです。」

イラン大統領 Mr. Mahmoud Ahmadinejad
「世界のバランスを崩す問題があります。温室効果ガスの濃度が上昇しています。台風、干ばつ、食料の危機が多くの国々を襲っています。生態系が壊されています。汚染による病に苦しむ人々がいます。その理由は何ですか。化石燃料です。しかし、気候変動は環境の問題か。文化的・経済的問題が根本的にある。物質的な思考が人類を支配している。資本主義は、消費が成長しない限り成立しません。開発計画は、消費主義に根付いています。終わりなき、より多くの生産と消費。資本主義と自由経済。それを支えるエネルギー資源の独占は戦争の原因です。アメリカは、世界の人口の 5% しか占めていないのに莫大なエネルギーを使っている。先進国が 85% のエネルギーを使っており、それが環境問題を生んでいる。このまま続ければ、人類が地球上から消えるのは目に見えています。人道主義に戻りましょう。神は差別を許しません。我々にはチャンスがあります。森林を、水を、他の資源を持続可能に使いましょう。世界によりよい環境を。幸福と福祉のための WG を作りましょう。人間の尊厳に基づいた新しい経済を定義しましょう。アフガニスタンで、イラクで、莫大なドルが戦争のために使われています。それよりずっと少ない資金で、環境問題に取り組むための新しい技術を開発できるのではないですか。2011年は、世界の消費パターンを変えて汚染を無くすための年です。我々は、エネルギー消費を削減します。核エネルギーによる 20GW の発電を行います。G-77 と中国と技術的に協調する仕組みを作ります」

ドイツ連邦首相 Ms. Angela Merkel
「ここには代表団だけでなく、NGO、そして、若者たちが、未来のために集まりました。24時間以内に、アクションを起こせますか?もし、問題に対して何もしたくないと思っている人がいたら、それは脅威です。科学は、2℃以上の気温上昇は危険と警告しています。もちろん、先進国が先陣を切るべきです。2020年までには 25% は削減しましょうよ。数値をテーブルに載せてください。工業化の恩恵を受けていない方々、技術移転を望んでいます。資金援助を望んでいます。ドイツは、準備ができています。共通の法的な枠組みに向けて、資金と、排出削減と、そして、コミットメントです。パッケージ化して、明日、問われます。私たちには、達成する力がありますよ。ドイツとヨーロッパは準備ができています。これは地球規模の合意です。地球規模の問題だからです。生活を変える必要があります。技術はそのためにあります。共通の理解を持ちましょう。みんながこの星に住んでいます。ひとりが貧しければ、みんなが貧しい。24時間、仕事をして、世界に見せましょう。私たちが理解していることを」

モナコ君主 Prince Albert
「共通の脅威に対して立ち向かわなければなりません。時間と勇気、そして、理解が必要です。最近亡くなった人類学者は "賢者は正しい答えを出す者ではなく、正しい問いを出す者である" と言いました。バリでの議論は、結果を出すものではなく、京都議定書の行進が必要。2020年までの排出削減のゴールを設ける必要があります。全員が、それぞれの能力と責任において達成しましょう。わが国は 30% 2020年までに、80% 2050年までに削減します。わが国はクリーンな開発を行う上でアフリカを支援しています。また、自然災害の被害者への支援も行っています。持続的開発のための生態学的研究開発の基金を作りました。NGO は大切なパートナーです。共通の未来に向けて努力しましょう」

コロンビア大統領 Mr. Alvaro Uribe Velez
「気候変動の原因としてはわが国はほとんど関与していないが、対策を行っており、更なる貢献も厭わない。食料セキュリティを確保し、エネルギー生産の方法を変えようとしている。しかしそれには資金が必要です。国土の52%が森林で、これを保存していきたい。UNにより作られた森林家族プログラムが、そのことに努力しています。この会議は、野心的なゴールを目指しましょう。真摯に考えるべき義務があります。お茶を濁してここを去るような真似はできない」

ボリビア大統領 Mr. Juan Evo Morales Ayma
「最初に、この会議のオーガナイズのされなさについて申し上げたい。人々の命を、地球を救おうとしているときに、何で無駄に時間を費やしたのですか。各国の大統領たちの声明を聞くと、結果について話している。原因は何故話さないのですか?資本主義でしょう。気候変動の原因は、わが国を代表して申し上げますが、資本主義です。国の違いがあることは分かっております。しかし、死の文化が資本主義です。生の文化が社会主義です。他人や天然資源を搾取することで幸福を得るのは、平等ではない。よりよく生きることではない。大統領たちは、世界に本当のことを話していない。資本主義が、人類の最大の敵である。この機会を利用し、言いたい。ここに来るまでに、人々が、ここから追い出された。私たちの言うことを聞かせないつもりですか。代表団のみなさん、地球と人類の権利を守りましょう。地球がなければ、人類は生きられません。母なる地球を守らなければ、人類は守れないのですよ。地球は母です。聖なる存在です。売り飛ばすことはできない。西側の世界とは大きな違いがあります。資本主義から、母なる地球を解放しましょう。気候の負債があります。人類にバランスをもたらすためには、社会の間でのバランスをとらなければならない。ヨーロッパから、多くのボリビアの人々は来た。しかし出稼ぎに行く。大陸に経済の差がある。アメリカを作る必要性そのものも問題だった。母なる地球の権利を守り、母への負債を返さなければならない。母なる地球の権利を認識しないのであれば、我々全員が罪を犯すことになる。工業国が温室効果ガスで占拠した空間を戻さなければならない。途上国には、その空間が必要なのです。人類の、半分ではなく、全員を救う必要があります。生き方に大きな違いがあるから、ここでは合意が得られないという話を聞いた。アメリカと自由貿易の条約を結んだが、自由貿易ではない。自由植民化だ。資本主義を倒すことでしか合意はない。首長ではなく人々の声を聴け。Q1.自然との調和を望みますか。Q2.過剰消費の変化を望みますか。Q3.先進国は1℃も気温が上がらないように排出削減すべきか。Q4.戦争に費やされた分の金を気候変動対策に使うべきか。Q5.気候に関する不正を追及すべきか。資本主義を終わらせることが地球を救う道だ」

モロッコ首相 M. Abbas El Fassi
「気候変動は危機的状況を迎えており、世界的な緊急の対策が必要です。合意は、先進国が環境の責任をとり、大胆な、実用的な対策を、排出の削減のために明確なタイムテーブルで行うのでないかぎり、あり得ません。持続可能な生産と消費のパターンを作り、グリーンな経済を作らなければなりません。国際的な環境のための機関を作り、科学的な調査に基づき、現在から将来への対策を実行していく必要があります。水資源に関し、干ばつや洪水にも対応していく必要があります。そして、エネルギー面でも変化を起こす必要があります。わが国では、太陽光による 2GW の発電施設を作ります。人類の滅亡を避けるための努力を」

タイ首相 Mr. Abhisit Vejjajiva
「共通で、しかし差のある責任が国々にはあります。1,000年の発展のゴールのために、飢餓と貧困を解決する必要があります。わが国は米を始めとする食料の輸出国です。このままでは、世界の人口の食料セキュリティを実現できない可能性があります。排出削減、森林保護、我々の努力だけでは、気候変動に戦って行くことははできません。わが国は、国際的協調に積極的に関わっています。歴史的な責任が少ないにも係わらず、我々は、自らの責任を果たそうとしているのです。我々の努力には、先進国の援助が必要なことは言うまでもありません。2年かけて、ここまで来ました。合意に、ここで、到達しましょう。我々にはできるはずです。コペンハーゲンが、惑星を失うきっかけとなった土地として記憶されないように。今年、世界的な恐慌を経験しています。しかし、その危機は、世界の協力により超えられつつあります。そのレッスンを活かしましょう。こどもたちのために、未来のために」

モーリシャス首相 Mr. Navinchandra Ramgoolam
「気候変動は、ほぼ富める国により生み出され、ほぼ、貧しい国を襲っています。イギリス首相の資金援助の提案を歓迎します。しかしその少なくとも 10% は小さな島々のために使ってください。火星探査機の映像を見ましたか?地球と火星を比べてください。火星は、荒れた砂漠の星だ。だが、火星にも水があったと言われています。だから、火星は、私たちの未来なのかも知れませんよ。再生可能エネルギーに向かいましょう。化石燃料に代わる燃料を我々は作れるかも知れない。それには技術が必要です。わが国には自然資源がありません。国民の創造力に掛かっています。しかし我々の努力の可能性は、支援が得られなければ、限られています。ゴールに向かって、一緒に努力しましょう。化石燃料への依存を止めましょう。2012年にわが国で国際会議を開きます。わが国に、自然資源のない、国民だけが資源の、小さな、わが国に、化石燃料への依存をやめられるなら、他の国にできないわけがない。将来の人類の文明を、リエンジニアリングしましょう」

マレーシア首相 Mr. Dato’ Sri Mohd. Najib Tun Abdul Razak
「気候変動は、誇張ではありません。最近の調査では、8000億ドル以上の資金が、年間、適応のために必要とされるといいます。ですから、現在提示されている額は、非常に少ない。ビジョンを共有する必要があります。わが国は 2050年までに 50% 削減します」しかし途上国の発展が難しくなる。ですから先進国は、100%を超える削減を行うべきです。マイナス排出です。それにより、途上国に発展の機会をもたらすことができます。片手で 1ドルを渡し、もう一方の手で 10ドルを奪うような真似はやめてください」

イスラエル大統領 Mr. Shimon Peres
「よりよい未来のための綺麗な惑星の実現のためにここに来ました。気候は国境を越えます。政治的な問題は、環境的な協調の障害となってはなりません。水が消えつつあり、森林が汚染されています。新しい技術は 75% の水を再利用可能にします。水をあまり必要としない新しい植物種を作ったり、海水から真水を作る技術を開発しています。2020年までに 20% の排出削減を行います。平和への貢献を、拡張して行く必要があります。科学的・技術的にイスラエルは貢献します。この世界を綺麗で、健康的に。私はこの中で最も若い人ではなく、逆かも知れません。コペンハーゲンは期待を作り出しています。民主的な国々ついて、解決の近道は、おそらく、妥協することです。バランスを見ましょう。人類に、幸福をもたらしましょう」

ナミビア首相 Mr. Nahas Angula
「わが国は気候変動のインパクトに脆弱です。観光資源としての国土に依存しています。生産システムを保護する必要があります。我々は気候変動に対してほとんど関与していないに関わらず大きな影響を受けています。症状よりも問題の根本的な原因を見ましょう。洪水が毎年起きています。インフラストラクチャの整備が必要とされています。国際的な協調パートナーによる確約された資金援助と技術支援を欲しています。災害により貧者が生まれるのを阻止するブログラムの実行が必要です」

モンゴル大統領 Mr. Tsakhia Elbegdorj
「海面レベル上昇、気候変動の様々な例が起きています。四季が分からなくなってきています。気候変動は、生活様式を変え、自然との調和を乱しています。気候変動は、気候による虐殺になろうとしています。この問題を共に解決したい。わが国は最も人口密度の低い国であり、広大な土地による自然エネルギー活用が期待できます。科学の警告をよく聞きましょう。透明で明確な資金援助の仕組みを。新しい秩序を。国連の新しいミッションを遂行しましょう」

グヤナ大統領 Mr. Bharrat Jagdeo
「他の人にこの問題を解決してもらうのは楽です。失敗したら非難すればいい。しかし、そういうわけにはいきません。COP 外での議論によりテキストが出されるのは混乱のもとです。ここに来た理由を思い出しましょう。修正を後延ばしにできるような文書のように、私たちの未来を扱ってはいけません。コミットメントを、6ヶ月以内に最終化しましょう。ヨーロッパや日本による資金援助の決断を歓迎します。しかし、十分ではない。長期的な合意とコミットが必要です」

ブルキナファソ大統領 Mr. Blaise Compaore
「バリで始まった 2年間の困難な交渉を通して、アフリカをはじめ、様々な国々の努力が実りつつあります。激しい気候、強風、干ばつ、2009年の9月にはひどい洪水がありました。暗い、気候上の未来の不安をかかえた我々には、気候の正義を貫く正当性があります。2020年までに 40% の削減、そして 1.5 以下の気温上昇をゴールとして提案します。台湾はこの試みに参加するべきでしょう。コンゴの森林は保護されなければなりません。サヴァンナの維持もです。この気候変動は持続可能な開発へと向かう機会です。すべての国々が参加すべきです。わが国も様々なパートナーシップによる努力を続けています。NAPAS を含めて。京都議定書の第2コミットメント期間を。コペンハーゲンは失敗してはいけません。歴史的責任のある工業国に訴えたい」

イギリス首相 Mr. Gordon Brown
「環境に関する最も大きな国際会議で、最も高い目標を掲げるために来ました。富める者と貧しい者が戦うのではなく、協調するのです。科学はごまかせません。極端な気候は、新たな貧者を生みます。ハリケーン、干ばつ、台風、洪水。科学により情報を得、インスパイヤされて、ここに来ました。すべての国が、他の国の未来を犠牲にするのではなく、互いのために共通の未来を作るのです。政治の役目は、障害を乗り越えることです。首長の役割は理想を追求すること。価値ある森林を失わないように。1,000年の開発ゴールに向けて。銀行から資金を得られれば、地球を救うことができます。コミットメントは、法的拘束力のある道具となります。智恵のある発展をしましょう。我々にデモンストレートさせてください。一緒に成し遂げられることは大きい。次の世代に、祝福されるのか、非難されるのか。我々のすべてのこどもたちにとって、この惑星の未来ほど、価値あるものはありません」

ガボン大統領 Mr. Ali Bongo Ondimba
「産業革命の始まりには、この工業化の道が、こんな未来を用意しているとは誰も想像できませんでした。人類全体の野心的な決断のときです。人類の 5/6 以上が気候変動による被害に苦しんでいます。人間的でない生活を暮らさなければならないような状況を回避したい。これは、一緒に働くという意志の問題だと思います。競争から協調への変化は、どうすれば起こせるのか。みんなが戦う必要があります。地球規模の責任を。なぜなら、我々は運命を共にしているからです。ヨーロッパは、この問題の解決に向けて世界に働きかけるために先導的な役割を果たしました。しかし、実際の行動はまだまだ不十分です。消えつつある島々を救うためには緊急の対策が必要です。経済対策などでは無くです。わが国のような国がコミットしているのに、他の国がコミットできないなどということは理解に苦しみます。コストがかかる?今、対策しなければ、20年後には、もっと大きなコストがかかるのですよ。気候変動は、オプションではありません。立ち向かわなければならない」

キリバチ大統領 Mr. Anote Tong
「我々を襲う脅威の真の意味を考えてください。 消極的な意見を聞くこともあります。しかし、この2日間での我々の行動がすべてを決めます。生存のために決断しましょう。気候変動の科学は明確です。時間は残されていません。今、行動しなければなりません。科学と良心に基づき行動しましょう」

メキシコ大統領 Mr. Felipe Calderón Hinojosa
「私たちは世界の兄弟です。コペンハーゲンは、気候変動への戦いの新しい時代を切り開くでしょう。それは、人類にとっての新しい時代でもあります。具体的で野心的な合意に向けて努力しましょう。率直に申し上げましょう。ここで議論されてきたことは、途上国と先進国との間の摩擦であるという解釈があります。そうではないということを申し上げたい。富める者と貧しい者を両方含む人類と、自然との間のギャップを埋めることなのです。生存のためにです。気候変動への戦いは、すべての先進国と途上国が参加すべきものなのです。メキシコは途上国だと思います。世界の人類の半数以上は貧しい者たちです。この環境への挑戦は地球規模の挑戦であり、全員が参加して継続していくべきものであります。わが国は 2020年までに 30% の温室効果ガスの削減を約束しています。2 以下の気温上昇に抑えましょう。途上国への経済的刺激を。国際的な協力により、グリーン基金を創設します。最も重要なのは、この資源へのアクセスは、結果ベースで行われるべきだということです。炭素換算の削減重量等によってです。メキシコは COP16 をホストします。コペンハーゲンは、そこに至る道を開拓するものです。ここでの合意を公式なものにするのがメキシコで開催される COP16 です」

(最終弾に続く)

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2009年12月22日 (火)

気候サミットCOP15各国代表の声明  -第3弾

斉藤賢爾氏(Webhttp://www.accianco.jp/)がコペンハーゲンからTwitterで実況翻訳してくださったCOP15での各国代表の声明第3弾です。斉藤氏は、翻訳の正しさは保証していないという但し書き付で転載を快諾してくださいましたので、改めて御礼を申し上げます。また、会議中音声が途切れた場合などもあり、完全ではないこともご承知おきください。

私は、パプアニューギニア首相の「Google は今、大きな価値があるようですが、明日、消えたところで、人類のほとんどは気づきもしません。森林は違います」が気に入っています。どこかでキャッチコピーとして使ってほしいものです。ニカラグア外務相の「コペンハーゲンでは、我々は鏡を見ているようなもので、自分自身の弱さに気づかされました」は示唆的な気がします。

まったくの蛇足ですが、もしコートジボワール外務相と結婚して夫婦別姓でなければ、私の名前はYoko Bakayokoになってしまうな~と、つい苦笑したのでした・・・。

(以下順不同)

ドミニカ国 健康・環境省大使 Mr. Lloyd Gabriel Pascal
AOSIS の提言を支持し、気温上昇を1.5℃以下に抑え、CO2濃度を350ppm以下とする目標を立てることを支持します。それはわが国のような小さな島国が生き残るためには必須の条件です。バリ行動計画に基づいて進めましょう。EUの資金援助は評価します。他の ANNEX I 諸国もヨーロッパに追従することを願います。長期的な協調のために、ガバナンスの構造を見直しましょう。コペンハーゲンから、未来の世代のために、誇りのもてる合意が生まれることを期待しています。」

キルギス環境保護・森林局長 Mr. Arstanbek A. Davletkeldiev
「率直に申し上げましょう。この惑星の未来を決める会議が今、行われているのです。気温が上昇し、氷河が溶けています。利用できる水資源が減っています。長年、交渉してきました。ネパール政府とも一緒にです。能力開発、適応と緩和、技術移転が必要です。森林を保護し、下流域への水資源の確保を行う、持続可能開発が必要です。中規模水力発電。山岳国家はどれも同じように問題を抱え、努力しています。その取り組みを支援する基金が必要とされています。一緒に努力する以外に、問題を解くことはできません」

イエメン大使 (ドイツ連邦への) Mr. Mohammed Lutf Al-Eryani
「気候変動は、もはや予測ではありません。現実です。強烈なサイクロン、雨、途上国の方が、資源と能力の不足により、大きな影響を受けます。洪水が、人々の家を、学校を失わせました。山の多い土地ですが、これほどの洪水は経験したことがありません。同時に干ばつも。食料セキュリティも脅かされています。我々の能力に応じて、支援が受けられるべきですし、自らの責任で対策を続けなければなりません。科学的調査も行います。何度も繰り返されている言葉ですが、どのように議定書を実施するか、ベストな機構を、明確なビジョンの元で」

パナマ外務副大臣 Mr. Melitón Arrocha
「過去数日間、非常に重要な気候変動の問題について議論してきました。次の世代が、なんと素晴らしい判断をしたのだろうとこの会議を振り返るようになることを望みます。生態系が破壊されています。キャンペーンではありません。本当の脅威です。過去10年間が最悪なのです。気候の上昇は最大でも 1.5
に抑えましょう。わが国は排出国ではありませんが、努力を続けています。グリーンなサービスに置き換えて行っています。再生可能エネルギーへの置き換えを進め、持続可能開発を推進しています。更に、不要な排出を行わない最適化を」

ウクライナ「国々の削減目標は、それぞれの国の状況に応じて異なって設定されるべきです。わが国はバランスの欠けた経済をもっており、GDP は半減、人口は 11%以上、減っています。人口あたりの GDP ANNEX I 参加国の平均を大きく下回っています」

ロシア第一副首相 Mr. Igor Shuvalov
「わが国は京都議定書の削減目標の半分を達成していますが、さらに努力します。再生可能エネルギーの利用は 5倍に増やします。新しい要求のための新しい合意を歓迎します。すべての国々が一緒に戦うことが責務です。自由貿易を制限するべきではありません」

トゴ環境・森林資源相 Mr. Kossivi Ayikoe

「わが国が気候変動により受ける影響に鑑みれば、よりよい生活への戦いが正当化されると思います。温暖化の問題と戦うことがわが国にとって最優先事項です。真水の確保、洪水への対処、生態系の保護のために、努力します」

ベルギー気候・エネルギー相 Mr. Paul Magnette
ベルギー「悲観的な声が聞こえてきます。これまでの時間、浪費されていたところが多く、手続きの議論に終始していました。デッドロックです。コペンハーゲンが希望だと表明した人々への申し訳はどう立つでしょうか。新しい経済は、すべての国が発展する世界は、どうなるのでしょう。科学者は警告しています。我々の文明もまた、命に限りがあることを。現実の世界は有限です。単一の法的な道具をもって、長期的な環境的な適応を、2050年までに少なくとも 50% の排出削減を。我々工業国は、過去に間違いを犯したことを認識しています。歴史的な責任と義務があり、それを果たす必要があると認識しています。悲観的と言いましたが、ゴールは間近にあります。ブラケットは異なる視点を表していますが、共通の言葉で、行動で、対処できるはずです」

サウジアラビア石油・鉱物資源相 Mr. Ali Ibrahim Al Naimi
「この会議は決定的な時を迎えようとしています。平等で包括的な合意に達するため、我が政府は交渉を続けてきました。どのような合意も、次の要素を検討する必要があります: 1) 先進国が責任を果たすこと。2) エネルギー市場を考慮していること。3) CCS CDM として認められること。わが国は太陽エネルギーへの移行を支援しています」

デンマーク気候・エネルギー相 Ms. Lykke Friis
デンマーク「化石燃料からの 100% の離脱を宣言します。それはロケット科学を必要とするような難しいことではありません。来年、その方法を発表しますが、政治的な決定はすでに下されています。デンマーク国民にとって、この夜は、記憶に残るでしょう。コペンハーゲンが人魚以外でも覚えられるためには、妥協と締結が必要です」

ナイジェリア外務相 Chief Ojo Maduekede
「この会議は失敗するには大きくなり過ぎました。過去200年間の人類の開発の歴史を問い直すときです。汚染する者は支払わなければならない。すべての国がそれぞれの責任を負います。大きな外的干渉がなければ、アフリカの飢餓と貧困は永遠に続きます。コペンハーゲンから合意無しに帰ったら、顔向けできません。"早く行きたければ、ひとりで行け。遠くへ行きたければ、みんなで行け" という言葉があります。わが国はアフリカ・グループの立ち位置を支持する。京都議定書の第2コミットメント期間と長期的協調を」

コートジボワール外務相 Mr. Youssouf Bakayoko
「わが国では、雨量が落ちています。気温が上昇しています。人口の移動が起きつつあります。地球規模の、バランスのとれた解決が必要です。先進国には持続的な資金供与による技術移転とリスク管理を期待します。議定書と協定による合意を」

アルゼンチン外務相 Mr. Jorge Enrique Taiana
「途上国が新しい技術にアクセスでき、緩和・適応が可能であるように。わが国もエネルギー消費を効率化し、かつ再生可能エネルギーへの移行を図っています。コペンハーゲンでは、平等性が強調されるでしょう。これはパラダイムシフトです」

レソト外務・国際関係相 Mr. Mohlabi Kenneth Tsekoa
「京都議定書から12年。振り返る時期に来ました。バリ・ロードマップは全会一致でした。戦いは温室効果ガスの排出削減です。しかし、乗り気でない方々もいるようだ。ですが、すべての国々がこの問題の影響を受けます。土地利用、食料セキュリティ、生態系の破壊。わが国の食料とエネルギーの生産性が落ちています。利用できる水も少なくなってきている。植林を続けています。大規模な対応には資金と能力育成が必要です。京都議定書の維持が必要です。COP15は貧困対策と持続的開発に向けた公平な結論を出さなければならない」

パキスタン外務相 Mr. Makhdoom Shah Mahmood Qureshi
「これだけのリーダたちが集まり、合意もなしにコペンハーゲンを去ったとしたら、なんと落胆すべきことでしょう。世界はそんなことは望んでいないはずです。気候変動は生存の危機であり、わが国でも第一の問題です。食料の問題があります。エネルギー転換を図ります。太陽光、水力、原子力、風力を用います。わが国のエネルギー需要は指数関数的に伸びています。2050年までに80%CO2削減を。適応基金の強化を」

ニカラグア外務相 Mr. Samuel Santos López
「強欲に基づく消費活動を助長する資本主義が過剰な温室効果ガスのの排出の原因です。元々政治・経済的な問題なのです。現在の取り組みは、炭素バブルを作り出し、利益を出すかも知れませんが、ちっとも地球のためにはなりません。1) 途上国の開発の自由を保証すること。 2) その開発が生産・消費・汚染の二の舞いにならないこと。 3) 先進国が GDP 6% を途上国に譲渡すること。世界のコモンズ、すなわち海洋や情報空間を平等に利用可能にすること。コペンハーゲンでは、我々は鏡を見ているようなもので、自分自身の弱さに気づかされました」

ミャンマー外務相 Mr. Nyan Win
「この問題は地球規模の対応を必要とします。わが国は低炭素排出国です。途上国に平等をもらたすためにはそれなりの扱いが必要です」

エクアドル外務相 Mr. Fander Falconi
CO2濃度の上昇による温暖化は、かなり前から予測されていたことですが、なぜこんなに政治的努力が払われるまで時間がかかったのでしょう。削減は、50-60% は行わなければなりません。しかし、誰が?排出には大きな差があります。途上国は、受動的喫煙者のようなもので、他者の行為によって被害を受けています。先進国には、歴史的な環境的な負債があるのです。平等をもたらす判断をしましょう。1.5℃以下の上昇に抑えましょう。お願いしているだけではありません。わが国はイニシアティブをとって、自ら経済的な負担をして、対策を講じています。石油には税をかけましょう。環境税です。需要を減らすことで排出を減らせます。生命が調和することが必須です」

バルバドス外務相 Ms. Maxine P. O. McClean
「気候変動に立ち向かう最前線の国のひとつとして、わが国は AOSIS の提言を支持します。弱い合意は、合意が無いこと以下です。過去2年の経験から学びましょう。世界は科学に基づく合意を必要としています。世界のすべてが解決の一部とならなければなりません。わが国では、エネルギーの 30% を再生可能エネルギーで賄う計画です。気候変動は長期的な問題であり、脆弱な国は長期的な大規模な資金投与を必要とします。解決のための技術は存在しています。その共通の理解を、法的に拘束力のある合意に変換しましょう」

スーダン副大統領 Mr. Nafie Ali Nafie
「わが国は独自にこの問題に対して取り組んでいます。歴史的な責任とは関係なく、開発の方法を変えようとしています。わが国は温室効果ガスの野心的な削減を計画しており、45% の削減を目指しています。途上国は、技術の供与と能力育成を受ける必要があります。法的な義務に則り、寄付ではなく、資金の投与が必要であると考えています。2012年以降に向けて、わが国もバリ・ロードマップに従って計画しています。G-77 の議長国として、途上国における気候変動の悪影響を緩和し、かつ開発・発展を進めます」

ギニアビサウ副首相 Ms. Maria Adiato Djaló Nandigna
「わが国は西アフリカに位置し、赤外線と紫外線を浴び、脆い生態系の中にあります。エネルギーも外部に依存しています。洪水の危機もあります。農業は伝統的な手法に基づいており、気候の急激な変化により打撃を受けています。協定はこれらの対策を進める基礎です。京都議定書は保存されなければなりません。持続可能な開発のために。適応し、影響を緩和する能力を育てる必要があります。わが国は気候変動に対する世界の取り組みの一員として貢献します。先進国が、法的に拘束力のある合意により、温室効果ガスの削減に努力することを望みます。貧困対策も必要であり、確約された資金が必要となります」

ラオス副首相 Mr. Asang Laoly
「スーダンとリソトによる声明を支持します。緩和と対応、能力育成、そして技術移転に向けた世界の取り組みが必要です。その集合的な努力にわが国も貢献します。CDM REDD+ に向けて準備します。そのための法的整備が必要です」

カンボジア副首相兼外務・国際協調相 Mr. Namhong Hor
「温暖化が、速度と強度を増しています。北と南のすべての国々が取り組むべき問題です。2050年までに温室効果ガス排出の大きな削減を。京都議定書とバリ行動計画を超える取り組みが必要とされます。わが国は何年もの間、森林の保護に力を注いでいます」

ブルンジ副君主 Mr. Ives Sahinguvu
「洪水が、反復して収穫時期に壊滅的な打撃を与えています。グリーンな経済に向けた、グリーンな産業を。農業・エネルギー・健康・水・生態系維持が基本です。しかし、政治的な意志は固くとも、実質的な着手のための資金が不足しています。野心的で、平等で、全員が乗ったコペンハーゲンの合意の上で、実施していく必要があります。査定機構を作りましょう」

トンガ副首相兼健康相 Mr. Viliami Tau Tangi
AOSIS の提言を支持します。包括的な地球規模の合意が必要です。わが国では、50% の電力を 2012年までに再生可能エネルギーで賄います。太平洋での我々の暮らしは、独立したものではありません。歴史的な瞬間です。正しいことをしましょう」

ジャマイカ副首相兼外務・輸出入相 Mr. Kenneth Baugh
「コペンハーゲンを歴史的なターニングポイントにするために来ました。国家には多様な問題があることを理解しています。しかし気候変動は、国境を気にはしませんし、経済状況も気にしません。無関係に無差別に破壊的な影響を与えます。法的に拘束力があり、強制できる合意を望みます。途上国が発展をあきらめずに問題に立ち向かえるように。2020年までに 45% の削減を、2050年までに 80% の削減を。気温の上昇を 1.5℃以下に、CO2 濃度を 350ppm 以下に。わが国はすでに風力発電施設を持っています。科学的現実を直視し、チェックポイントを設けて国々の取り組みを監視していきましょう。地球規模の不安を解決しましょう。この会議を通して、世界中で、若者の熱意を感じました。失敗してはいけません」

グアテマラ副大統領 Mr. José Rafael Espada
「人類というひとつの種、20世紀に素晴らしい発展を遂げました。21世紀になり、我々は、変化しなければならない。人間の世紀を迎えたのです。地球規模の文明の危機を迎えています。開発は、持続的なものでなければなりませんし、国境を越えて影響を及ぼすものであってはなりません。京都議定書の第2コミットメント期間、そして長期的協調に向けた協定、このふたつにコミットしましょう。科学技術は平等なものです。誰もが使え、誰もがその影響を受けます。影響を無視して科学技術を使ってはいけません」

スイス副大統領兼環境・運輸・エネルギー・通信連邦局長 Mr. Moritz Leuenberger
「同じことを何度、言うのでしょうか。今が発言ではなく行動の時であることを、みなが合意しています。しかし、我々は発言を続けています。ここは国連なのか、それとも語り場ですか。存在意義の質問です。食料と水、戦争と平和、生と死に係わる問いです。2020年に向けたの短期的ゴールと2050年に向けたの長期的ゴール。これらに対して具体的な取り組みを決めましょう。チェックポイントを設けましょう。科学に基づき、ポリシーを決めましょう。我々工業国は少なくとも80%を削減すべきです」

中国の緊急声明「これまで、参加国のいくつかが台湾の参加について述べています。世界には、中国はひとつしかありません。台湾は中国の一部です。ふたつの中国を作れと仰るのでしょうか。それは内政干渉です。この会議に関係のないことを発言し、会議を妨害しないで頂きたい」

リベリア副大統領 Mr. Joseph N. Boakai
「わが国は小さな国です。気候変動にはほとんど何の影響も与えていませんが、破壊的事象により大きな打撃を受けています。海面の上昇が、我々が利用できる水資源を減らしていますし、領土が少なくなっています。無くなる土地には 50% の人民が住んでいます。情報の共有、教育、リスク管理、技術活用、女性・こどもの参加。平等性の原則は、これまでの不公正な歴史を正すための基本です。排出に歴史的な責任を負う国々は、資産を提供してください。共通の、しかし差異のある責任です。スーダン、エチオピア、リソトを支持します」

タンザニア副大統領 Mr. Ali Mohamed Shein
「世界が見ており、何百万もの声が届いています。人類は年間 10Gt の排出に責任があります。先進国がリードして取り組まなければなりません。平等に、しかし、差異のある責任に基づき、貢献しましょう。45% の削減が先進国には必要です。それと資金援助が」

ガンビア副大統領兼女性の問題担当大臣 Ms. Aja Isa Tou Njie Saidy
「共通の努力が必要です。京都議定書が失敗であり、それを置き換えようとするグループがありますが、わが国は 2トラックを信じています。2020年までに25%2050年までに95%、これにより1.5℃以下の気温上昇と350ppm以下のCO2濃度を。緩和と適応の目的で、特に貧しい国々、脆弱な国々、小さな島々がアクセスできやすい、確約された基金を。海面上昇により我々の首都は沈むと予測されています。生存の危機が我々にもあります。明日、平等で包括的な、資金の約束を含む条約に締結しましょう。台湾はオブザーバとして認められたことがあります。国連の協定により、台湾は、この世界的な取り組みの中にオブザーバとして組み込まれるべきです。さて、世界的な合意が得られなければ、みんなが沈みます」

ドミニカ共和国副大統領 Mr. Rafael Alburquerque
「惑星規模で、温室効果ガスの排出による温暖化という共通の敵と立ち向かっています。人類の活動が、惑星への脅威となっているのです。コペンハーゲンは、この問題に正しく対応できる機会です。歴史に残る責任を果たすときです。惑星に与えてきた傷を治すときです。誤った選択は、貧困、疫病を増やし、より悪い方向に進めます。生態系、生物多様性、経済、食料セキュリティを破壊します。コミュニティ全体のことを、個々の国よりも考えましょう。コペンハーゲンで我々がすることの影響は、未来が受け取るのです」

キューバ副大統領 Mr. Esteban Lazo Hernández
「ベネズエラとボリビアの大統領が、気候変動の真の原因と、その対策について述べました。1992年、リオデジャネイロでの会議でカストロは言いました。生態系の破壊は過剰消費文化が原因であり、変化が必要である。それから20年、気温は上昇し続けています。未来の世代のために世界の秩序を改めるときです。持続可能でない生産と消費のパターンが、気候に影響を与えています。市場原理に則った偽善的な対策が必要なのではありません。不平等を助長するだけです。政治的・倫理的に受け容れられません」

ニュージーランド首相 Mr. John Key
「この会議で、経済の大きな担い手は決断すべきです。低炭素開発への転換へ。新しい地球規模の合意は、持続可能なものでなければなりません。技術のサポートが必要です。わが国は森林・農業の分野で、食料のリーダーとして貢献します。わが国は先進国の中でもユニークな立ち位置にいます。農業、食料生産が大きな産業であり、排出の大部分を占めているからです。今、世界は、違いを認め合った上で、少しずつ出し合うことで、全員に大きく貢献できる時点に来ています」

パプアニューギニア首相 Grand Chief Sir Michael Thomas Somare
「気候変動への取り組みが我々が生きている時間の中で最も重大な挑戦であることは間違いがありません。我々はエネルギーの生産方式を転換し、森林を保護する準備ができています。開発の方法を変えるときが来ています。我々のような途上国もです。予想よりも早く、気候の変化は起きています。450ppm ではなく、350ppm CO2 濃度を抑える必要があります。それには、森林の保護がますます必要であり、そのための技術が利用できなければなりません。確約された資金援助が必要です。広大な自然が維持されるなら、我々の文明は1,000年も持続して行けるでしょう。しかし、今は次の世代にさえ大きな脅威があります。国際的な努力。REDD+ が必要です。その負担は、先進国にとっては、一人当たり、毎日、微々たるものです。温暖化の影響を反転するために、森林の価値を高めましょう。Google は今、大きな価値があるようですが、明日、消えたところで、人類のほとんどは気づきもしません。森林は違います」
(第4弾に続く)
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