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化学物質過敏症

2009年12月 3日 (木)

有機農業を後退させる事業仕分け

最近BIO(有機)食品テーマについて何度か書いてきましたが、ただでさえ遅れている日本の有機農業が、もっと後退させられそうなショッキングな記事を読みました。

「化学物質お悩み事情」(本の泉社)の著者、村田知章氏(http://blogs.yahoo.co.jp/csboyakihttp://www.geocities.jp/csboyaki/)のmixi日記によると、それでなくても欧州に比べて桁違いに普及が遅れている有機農業が、鳩山政権の事業仕分けの結果、さらに後退しそうです。村田氏から許可をいただきましたので、以下に転載します。

大変なことになりました。 

24
日の事業仕分けで、有機農業を推進するための事業費が無駄な予算としてバサリと廃止になってしまったそうです。 

2006
年に成立した有機農業推進法に則り、有機農業のモデルタウン事業などの事業が全国の59の地域で展開中です。 
その来年度(22年度)予算である約3億円が認められないというのです。 

ようやく芽生えてきた有機農業です。 
有機農産物の占める割合は、全農産物生産量の0.18%しかありません。先進国のうちでは悲しくなるぐらい低い値です。 

有機農業推進法は、民主党の国会議員が中心となって超党派で議員立法した法律です。 

この仕分けを不服として163人の国会議員が連名で予算の復活を求めています。 
今後、政治判断で復活の望みもありますが、仕分けでの裁定が重要視されてしまうそうです。 

有機農業の大切さは、食の安全に止まらずに、環境保全や健康の増進もあります。また有機農業で地域の活性化を図っている市町村も多く、地方経済の復活の原動力ともなります。 

費用対効果で考えても、たったの約3億円の予算で全国各地で有機農業が活性化し、それに伴い地域も活性化するのですから、とても有意義な予算といえると思います。 

有機農業を地域で活性化させるための予算が約3億円しかなかったというのも、驚きですが、その予算さえも削減されてしまったら、せっかく芽生えた有機農業の芽を摘み取ってしまいかねません。 (転載ここまで)

ドイツでは、有機農業による温室効果ガス削減効果も期待されています。鳩山首相が、国際社会に宣言した「2020年までに25%削減」という目標を達成するためには、有機農業ももっと大幅に推進するべきです。

私は、ツィッターで民主党に仕分けの見直しと有機農業の更なる推進を訴えました。

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2009年11月24日 (火)

BIO(有機)食品にこだわるわけ

私がBIO食品にこだわる理由はいろいろあります。

きっかけは、子どもを母乳で育てるときに、「化学物質過敏症気味の私の体内は、かなり化学物質で汚染されているのではないか」という不安があり、せめてこれから体内に摂取する食品だけは、できるだけ化学物質に汚染されていないものを選ぼうと思ったからです。

そう思っていた矢先に、BIO志向に拍車をかけた事件がありました。

息子は1999年にベルギーで生まれましたが、妊娠中にベルギーでダイオキシンの食品混入スキャンダルが発生したのです。畜産物や卵関連商品は、BIOの製品以外はすべてスーパーの棚から消えました。

幸い、産婦人科医から「肉食は控え魚を食べるように」と言われており、その他の食品も可能な限りBIO製品を買っていたので(ベルギーのスーパーには当時100種類以上のBIO製品がありました)、パニックにならずにすんだのです。

私は、2000年ごろ初めて「化学物質過敏症」という言葉や、日常生活を普通に送れないほど深刻な症状の方たちがいることを知りました。原因は、シックハウスやシックスクール、農薬や除草剤、殺虫剤散布など様々でしたが、市民グループの勉強会に参加させていただき、「化学物質過敏症は、人体の化学物質に対する許容量を一定以上超えると引き起こされる」と知りました。

私自身、化学物質に比較的長い間関わったことがあり、大学の卒論研究では、植物から味覚変革物質を抽出し、構造分析をしました。その間に使った薬品類はアルコール類やアセトンなどが多く、影響が残ったとは思えませんが、就職先の研究所で扱った化学物質の影響は、無視できない気がします。半導体の製造工程で使う有機材料の研究でしたが、化学物質データ集にもまだ載っていない、物性がほとんど明らかにされていないような物質も取り扱っていたからです。それでも、当時は何の自覚症状もありませんでした。

振り返ってみると、研究所勤務時代の化学物質と、その後水田に囲まれた住居で農薬散布や稲刈り後切り株を燃やす煙(農薬散布した稲藁を燃やすのです!)による大気汚染が原因で、許容量を超えたのではないかと推量しています。その住居近くのほとんどの子どもたちが喘息やアトピーに苦しみ、私も含めて流産の経験者が多数派でした。

化学物質過敏症になって困るのは、肉体的な苦痛もさることながら、科学的に因果関係を証明できないため、社会的になかなか認知されないことです。

「やさしい減農薬の話」(中村修・著)には、稲の状況や農民の判断ではなく、指導や一斉防除、空中散布という制度や組織を維持するために、無駄な農薬散布が行われてきた様子が書かれています。

日本の農薬メーカーが生産し、農協が販売してきたパラコート系除草剤により、79年から90年までに1万5000人もの農民が死亡したと推定されるそうです。それほど多くの死亡事故が発生しながら、取り扱いミスとして処理され、社会問題にならなかった背景は、国民の命や健康よりも企業と経済を優先した、かつての公害問題と同じだと思わずにはいられません。そして、筆者は次のように悲しんでいます。

・・・農薬中毒死が半減したのは、普及所や農協が積極的に農薬の安全指導をしたためでもなく、有機農業が広がったためでもなく、百姓の意識がかわったわけでもないのです。単にパラコートの濃度が薄くなったことで中毒死が1300人も減ったのです。百姓のいのちは、メーカーのさじ加減一つに左右されていたのです。この国の、有機農業ブームとは、こんなものでしかありません。・・・

レイチェル・カーソンの「沈黙の春」が出版されたのは、1962年でした。

日本でも、有吉佐和子が1974~75年の連載「複合汚染」で警鐘を鳴らし、「沈黙の春」の日本版と例えられています。

1997年に、シーア・コルボーンらが「奪われし未来」を発表したときには、世界中で「内分泌系攪乱化学物質」(日本では「環境ホルモン」という名も使われる)が、大きな話題になりました。

これらの警鐘の甲斐があってか、化学薬品業界ロビイの強い欧州の政治ですら、化学物質の使用をだんだん見直してきたようです。

そんな中で、前日のエントリに書いたように、欧州の消費者のBIO食品志向が高まってきました。

有機農業の占める割合が高くなるほど、人体の汚染に限らず土壌・水系・大気の汚染、すなわち地球汚染を防ぐことができます。だから、環境意識の高い欧州の消費者には、BIO食品が割高であっても、地球汚染を防ぐために出費を惜しまない人が多いのです。

もちろん私も、家族と地球の健康のための先行投資だと思って、他を節約してでもBIO食品を購入しています。小さな家庭菜園で、自然農法(?!)もどきの野菜も育てています。

10年くらい前、オーストリアやスイス、デンマークで耕地面積の10%以上を有機農業が占めるようになったとき、自他共に認める環境先進国ドイツでは、わずか4%でした。当時、農業省の大臣は環境政党の国会議員だったので、20%を目指すと宣言していました。

しかし、今の中道右派の政権は環境よりも経済優先派ですから、ドイツでの有機農業拡大の見通しは暗いかもしれません。

有機農業の行方ひとつとっても、政治に大きく左右されます。私が、日本の総選挙のときに立候補者の政策を比較しましょうとしつこく訴えたのは、消費者・有権者(納税者としても)としての立場から、政治を変える必要があると考えるからです。

2008年8月22日 (金)

空中散布の農薬毒性、メーカーの説明資料に誤記述

「農薬と化学物質過敏症http://myhome.cururu.jp/nachhaltig/blog/article/21002142322」の続編です。

辻さんからのメイルを転載します。賛同される方は、お名前と都道府県名を辻さん宛mtsuji@jcom.home.ne.jpにお送りください。また、このような情報が1人でも多くの方のお目に触れて、農薬散布や企業の情報提供の在り方にも問題意識をもっていただけることを願っています。

なお、このブログではコメントはいたしませんので御了承ください。

<以下転載>

林野庁への松枯れ農薬使用中止に関する要望の賛同団体・個人の皆さま
反農薬東京グループの辻 万千子です。

 去る8月6日に林野庁の森林保護対策室長に要望書を手渡し、回答は9月になってから公開の場で行うということになりました。まだ日程は決まっていません。国会が始まってからになるので中旬以降でしょうか。その際には是非ご出席ください。
 なお、その場で、要望団体の追加を提出しようと思っています。現在、いくつ
かの団体から申し出があります。というわけで、まだ、大丈夫ですので賛同して
もいいという団体がありましたら、是非、ご連絡ください。

 ところで、出雲市での原因究明委員会は激論を重ねているようです。第5回目
の検討委員会で、農薬空中散布反対全国ネットワーク代表で、元大阪大学助教授の植村振作さんが、空散農薬のスミパインMCの住友化学の資料にごまかしがあることを暴露しました。その件に関する新聞記事をお送りします。安全だといって撒いてきた農薬が実は安全ではなかったということで、今後の松枯れ空散に与える影響は大きいと思います。


★NHK 8/20
空中散布の農薬毒性に誤記述
ことし5月出雲市で、農薬を空中散布したあとに1200人余りの市民が目のか
ゆみなどを訴えた問題で、この農薬のメーカーが農薬の販売などに使っている毒性に関する説明資料に誤った記述があることがわかりました。

この問題はことし5月、出雲市が松くい虫を防ぐための農薬を空中散布したあとに、小中学生を中心に1200人余りが目のかゆみや充血などの健康被害を訴えたものです。
これについて、19日開かれた出雲市の調査委員会で農薬の毒性に詳しい元大阪大学助教授の植村振作委員は、農薬メーカーの「住友化学」から委員会に提出された毒性に関する説明資料の記述に虚偽があると指摘しました。
この資料は、今回空中散布された「スミパインMC」という農薬に関して平成9
年に作成されたもので、農薬の成分として「ウサギによる試験で目に対する刺激性はない」と記していました。
ところが、植村委員がこの資料のもとになった住友化学の実験データを確認したところ、「軽度の結膜の充血を認めた」と記されており、資料の記述と食い違っていました。
住友化学は、この資料を農薬を販売する際などに使っており、委員会に出席した住友化学の担当者は、不正確な表現であることを認めたうえで、「なぜこういうミスが起こったのか調べたい」と述べました。

★中国新聞 8/21
散布農薬の説明資料に誤記 '08/8/21
-----------------------------------------------------------------住友化学(東京)が同社の松くい虫防除に使われる農薬「スミパインMC」の
説明資料に「眼に対する刺激性はない」と誤った内容を記載していることが分かった。5月、この農薬が出雲市の空中散布に使われた後、計1200人以上の児童たちが目などの異常を訴えており、同市は農薬との因果関係の有無などを調べている。

 同社によると、説明資料は「技術レポート第三版」で2001年に同社が作製。行
政と代理店に1万部弱配っている。この中で「ウサギを用いた試験結果では、眼や皮膚に対する刺激性はない」と書かれている。しかし、説明資料を作るために使った「日本農薬学会誌」の同社の論文には、ウサギへの点眼で「1時間後にごく軽度の結膜の充血を認めた」となっていた。論文は同社の前身の住友化学工業が1988年にまとめた。 空中散布後に多くの人が異常を訴えた問題を受け、出雲市が19日夜に開いた「健康被害原因調査委員会」で判明した。大阪大大学院元助教授の植村振作委員が技術レポートと学会誌を比較して指摘した。

★読売新聞 8/21
出雲の農薬散布 動物実験で異常確認 住友化学
自治体には「刺激性なし」
 出雲市で5月、農薬の空中散布後に発生した目の痛みやかゆみなどの健康被害で、農薬を製造した住友化学(本社・東京都)が動物実験で目の異常を確認していたのに、自治体などに配布した冊子で「目や皮膚への刺激性はない」としていたことがわかった。

 農薬は有機リン系の「スミパインMC」。健康被害は、1100人以上の児童
・生徒らが目の異常などを訴えた。

 住友化学などによると、同社が1981年に農林水産省に提出した農薬の登録申請の資料では、ウサギの目に成分を点眼する刺激性試験で、「軽度の結膜充血が観察された」としていた。しかし、1999年に同社が作成した、農薬を散布する自治体や事業者への説明資料では、この試験結果を掲載した論文を根拠としながらも、「ウサギを用いた試験結果では、目や皮膚に対する刺激性はない」と記述していた。

 19日夜に出雲市内で開かれた、市の原因調査委員会(委員長=山本広基・島根大副学長)で委員が記述の食い違いを指摘、「安全性の根拠になっていたものが崩れた」とした。住友化学の用貝広幸・アグロ事業部マーケティング部担当部長は取材に対し、「不正確な表現だった」とした。
(2008年8月21日  読売新聞)

★毎日新聞 8/21
http://mainichi.jp/area/shimane/news/20080821ddlk32040534000c.html
出雲の農薬空散:メーカーの説明資料、「刺激性ない」と誤記述 調査委が指摘 /島根
 今年5月に出雲市内で行われた農薬空中散布後に健康被害を訴えた児童・生徒らが続出した問題で、この散布農薬「スミパインMC」の製造企業「住友化学」(本社・東京都中央区)が農薬を売り込む際に使用している毒性に関する説明資料に、誤った記述があることが分かった。実験結果では軽度の刺激性が確認されていながら、この資料には「刺激性はない」と記していた。【細川貴代】

 19日に同市役所で開かれた「健康被害原因調査委員会」の5回目の会合で、元大阪大大学院助教授の植村振作委員が指摘した。

 住友化学が同委員会へ資料として提出した技術レポートでは、散布農薬の有効成分のスミチオンに関してウサギを用いた毒性実験の結果として、「目や皮膚に対する刺激性はない」と記述していた。

 しかし、植村委員の集めた資料では、同社が81年に行った同様の実験結果として「1時間後に軽度の結膜充血が6例中3例に観察されたが、48時間後までには消失した」などと、軽度ながらも一時は刺激性が確認されたとしている。

 住友化学によると、委員会へ提出された技術レポートは、同社が行政や使用機関へ農薬を売り込む際の資料として使われているという。同社の用具広幸・クロップ営業企画担当部長は「確かに記述が不正確であるのは事実。過去の資料をさかのぼって確認したい」と話している。

毎日新聞 2008年8月21日 地方版
http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/indpes10.htm

2008年7月23日 (水)

農薬と化学物質過敏症

数年前に日本に在住していた時、化学物質過敏症対策に取り組む市民グループの方々と交流がありました。久しぶりにその代表の方から、以下のメイルが転送されてきましたので、まずは転載します。この日記を読まれて賛同される方は、転載した要望書に辻氏のEメイルアドレスが記載されていますので、ご連絡をお願いいたします。また、お友達にも転送していただければ嬉しいです。


> 暑中お見舞い申し上げます
> 反農薬東京グループの辻 万千子です。
> てんとう虫情報先月号でご存じのことと思いますが、松枯れ空散で出雲市で1000
> 人以上の被害者が出ました。現在、原因究明委員会が開かれていますが、まだ
結 論は出ていません。それよりも、松枯れの空散・地散を止めさせなければなら
な いと思います。そこで、以下のように林野庁長官に要望を出すことにしました。
> できるだけ多くの団体の賛同を得て、林野庁に迫りたいと思います。
> 賛同いただける団体・個人の方は7月28日までに、辻 万千子に団体名と代表者
名> をお知らせください。なお、このメールを関心のある方に転送していただければ
> 幸いです。
> 8月の早い段階で提出したいと思います。> よろしくお願いします。
> なお、以前に出した要望書2通、添付ファイルで送ります。本文だけで判断して
> いただいていいと思います。

要望書転載の前に、少し私自身の経験談を紹介します。

当時田んぼに囲まれた場所に住み、無人ヘリコプターによる農薬散布や河川敷でのごみの違法焼却、稲刈り後の野焼きなど、一年中大気汚染に晒されたせいか、私自身タバコの煙や香水、建材、光化学スモッグなど大気中の化学物質によって目鼻の粘膜や喉がすぐに侵されるようになりました。

子どもたちのひどい咳には潮風がいちばんと、夫は海辺に遊びにいくことを好みましたが、事前に松枯れ対策の薬剤散布の日程を問い合わせ、散布日以降は行くことができませんでした。

松林だけでなく、住居のある市内の街路樹にも殺虫剤が散布されるので、市役所に意見書を出したこともあります。私は、街路樹に毛虫がいれば、刺されないように近寄らなければ済むけれど、いつ散布されたかもわからず、大気中からの吸入も避けられない上、健康被害が生じても原因究明も因果関係の立証もできない殺虫剤の使用ははるかに重大であると、使用禁止を訴えました(当時、ドイツの自治体ではすでに禁止されていました)。しかし、市からの回答は「毛虫に刺されると治るまでに10日ほどはかかり、苦情が多いので」ということだけでした。

その土地を離れてからは、子どもたちの咳はほとんど治まりましたが、私の症状は今でもあまり変わりません。昔、化学物質を大量に扱う研究所勤務中に、すでに化学物質過敏症寸前になっていたのかもしれません。

アレルギー症状の自覚のある方、是非周囲の大気汚染の原因を、もう一度見直されることをお勧めします。
以下の3通の要望書の内容も、参考になると思います。
(以下、転載)

今回の要望書                                        2008年7月 日
> 林野庁長官    様

> 松枯れ対策として実施されている農薬空中散布・地上散布の即時中止の要望
>  私たちは、以前から松枯れ対策として実施されている有人・無人ヘリコプタ
ー> による農薬空中散布(以下「空散」)並びに地上散布(以下「地散」)に反対
している市民団体です。貴庁には、何度も、国有林・民有林での空散・地散中止
の申し入れをしてきましたが、実施面積は減っているものの、未だ、完全に中止
になっていません。県によっては、独自の判断で中止に至った所もあるというの
に、です。
>  今年5月26日に出雲市で実施された空中散布によって子供たちを中心に少なく
> とも1000人を超える健康被害があり、そのうち、2人が入院、300人以上が受
> 診しました。しかもその症状は、目が痒いだけでなく、目の奥の痛み、目の回
り の腫れ、1次的な視力低下、歩行が困難になるほどのめまい・吐き気、視野狭
窄、 頭痛、喉の痛み・かゆみ、倦怠感等有機リン農薬中毒症状のさまざまな症状が
訴えられていました。その上、指定病院には、専門医も配置されておらず、1度
に大勢の被害者が押し寄せたときの体制もありませんでした。また、症状が長引
いていても、的確な診断や治療をしてもらうことができないのが現状です。
> このように大勢の人が空散実施後に被害を訴えた例は、過去、報告されていま
せんが、これは行政が、初めて自主的に被害調査を行ったから表面化したもので
す。
> 今までも、小規模ながら空散の度に健康被害は発生しており、その度に貴庁や
> 県・市町村に中止を求めてきました。しかしながら、実施者側は健康被害の訴
えは一切認めず、防除実施基準すら無視した空散を続けてきました。こうした事
例をきちんと調査し、対応していれば、出雲のような被害は起こらなかったでし
ょう。
> この事件後、複数の団体が貴庁や県に空散中止を求めましたが、「原因が調査
中で不明だから中止できない」という理由で、一切、取り合ってもらえませんで
した。「原因が調査中で不明」ならば、判明するまで中止するのが「予防原則」
上求められた科学的態度というものではありませんか。島根県では、そのように
対応しています。また、被害者は、空中散布が原因だと思っても、それを立証す
ることには非常な困難が伴います。もし、無関係と主張するのであれば、無関係
であることを証明する義務は、安全な防除法であるとして空散を推奨してきた貴
庁にあります。
>  私たちが長年要望してきた農薬の空散・地散反対の理由を今更ここで述べよ
うとは思いません。貴庁は十分に知っているはずです。(資料として、今までに
出した要望書を2つ出します。)
>  ここに至って私たちは松枯れ対策の農薬空中散布及び地上散布の即時中止を
要求します。
> 団体名(代表者名)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

参考資料:過去の要望書1
                          2003年5月30日
林野庁長官 加藤鐵夫 様

                農薬空中散布反対全国ネットワーク
                代表 植村振作
           連絡先:農薬空中散布反対全国ネットワーク事務局                     反農薬東京グループ
                   東京都西東京市東伏見2-2-28-B
                   電話/fax 0424-63-3027
e-mail mtsuji@jcom.home.ne.jp
                    

薬剤に頼らない松枯れ対策への転換について(要望)

 日頃、日本の森林保全のためのご尽力に敬意を表します。

 私たちは、松枯れの農薬空中散布に反対して長年活動しているネットワークで、貴庁とも様々な話し合いを続け、私たちの主張もいくつか取り入れられているところです。
 さて、今年もまた、松枯れ対策としての農薬空中散布(特別防除)、地上散布の季節が巡ってきました。
 特別防除に関しては、1997年の森林病害虫等防除法改定時の国会の附帯決議に基づき、将来的に廃止する方向で施策を進めているものと理解していますが、今年度の国庫補助をみても、特別防除が削減されているとは思えません。これでは、特別防除が廃止されるのは日本から松がなくなった時ではないかと言われても、反論できないでしょう。
 特別防除に代わるものとして地上散布がなされていますが、地上散布に関する林野庁の安全指導は無きに等しく、子ども達が登校する松林へ告知なしに地上散布したり、また、最近の傾向として夜間に散布する例も目立ちます。暗やみでは天候の変化がつかめず、また、散布した薬剤がどこに落下するかも確認できないため、環境汚染や安全面で問題があります。また、不特定多数の人が入場する公園、公共施設、ゴルフ場などで反対の声を無視して、松枯れ対策としての地上散布が多数行われています。
 伐倒駆除は比較的ましではないかと思われてきましたが、伐倒した松を焼却するのではなく、主に、伐倒木に薬剤を散布し、林内に放置しております。使用される薬剤には溶剤として灯油が98%も含まれるものもあり、山火事が起こった場合に非常に危険です。また、シートをかけない薬剤に関して言えば、周辺の大気汚染を引き起こしているおそれもあります。
 これらは、薬剤に頼った松枯れ対策を主要な方法としてきた貴庁の責任が大きいと思います。30年近くも全国の松林に薬剤をかけ続け、未だに松枯れ被害が終息していない状況を考えれば、この辺で、思い切った方向転換をし、薬剤に頼らない松枯れ対策をめざすべきと思います。
 以下、要望いたします。

要望
1,特別防除の廃止期日を具体的に打ち出す。
2,地上散布に関する厳しい規制を確立する。
3,伐倒した松を林内に放置せず、焼却する。
4,薬剤に頼らない環境保全型松枯れ対策として、今までの手法をとりまとめ、広く啓発する。

長官のご英断を期待しています。

資料請求
1,現在、林野庁が認めている特別防除、地上散布、伐倒駆除、樹幹注入に使用される農薬名と、過去3年間の県別使用量、県別補助金額
2,補助金の交付要綱(標準単価表など付属文書も含む)
3,発生予察に関する要綱と過去3年間のデータと補助金交付状況
4,1997年以降の、薬剤散布による健康被害の訴えの把握状況

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参考資料:過去の要望書2

                                                   2006年11月1日
林野庁長官 川村秀三郎 様

                        要望団体(順不同)
                  農薬空散反対全国ネットワーク 代表 植村振作
               日本消費者連盟関西グループ 世話人 山﨑昌子
               農薬空中散布反対千葉県ネットワーク 代表 井村弘子
               山口みどりの会 代表 村田直美
               CS発信ちゅうごく 代表 平原千加子
               萩空中散布を考える会 代表 藤井郁子
              島根くらしといのちのネットワーク 代表 倉塚香織
              東温市農薬空中散布に反対する市民の会 代表 渡部伸二
              長野県の農薬空中散布を考える会 事務局 田口誠道
              浜松農薬汚染を考える会 代表 高橋昌裕
             反農薬東京グループ 代表 辻 万千子
                     
 
松くい虫防除事業の効果調査ならびに松くい虫被害対策に関する要望書

 日頃、日本の森林保護のためのご活躍ありがとうございます。
 私たちは、以前から松枯れ対策として実施されている農薬空中散布に反対して活動しているネットワークです。

 貴庁は、毎年、空中散布の効果について調査し、空中散布をしている区域の方が被害率が少ないと発表しています。本年8月28日の林政審議会でも昨年度の効果調査結果として、空散区調査区の被害率が1.8%であったのに対し、非空散調査区は8.2%と報告されています。

 しかしながら、当ネットワーク所属の市民団体が、効果調査について検証したところ、
防除方法に伐倒駆除を実施する非空散調査区において、被害木の伐倒駆除がきちんと行われていない事が明らかになりました。伐倒駆除不徹底がありながら伐倒駆除実施と報告し、被害率を集計したことは、偽りの調査報告となります。

 1977年の特別防除開始時にも、空中散布していない調査区について「効果があった」などと、データねつ造がされていましたが、今回のずさんな調査に同様の驚きを覚えます。過去、貴庁はどのような反省をされたのでしょうか。

 また、有機リン系農薬の神経毒性が明らかになりつつあり、群馬県では有機リン系農薬の無人ヘリ散布自粛を決めましたが、貴庁は、相変わらず有機リン系農薬のフェニトロチオン(スミチオン)を空散し続けています。このことにも、私たちは非常な危惧を感じています。

 さらに、有人ヘリコプターに代わるものとして無人ヘリコプター散布を導入しようとしていますが、その運用基準を策定する「無人ヘリによる松くい虫防除に関する運用基準のための検討会」は、検討会副座長の本山教授の提出した調査報告の健康診断に関する部分が千葉大で問題になり、研究論文には、その部分を使用すべきではないと結論づけられたため、その確認のためと称して、現在にいたるまで、開催されておりません。

 また、3月に行われた無人ヘリ導入に関するパブリックコメントの結果も未だに公表されておりませんし、3月1日に反農薬東京グループが貴庁にだした、本山教授の健康調査の疑義に関する8項目の質問(添付資料2)についても、明確な回答がなされていません。

 にもかかわらず、来年度以降も有機リン系殺虫剤の有人・無人ヘリ散布が計画されています。このような状況は早急に改めるべきと考えます。

 お忙しいところ恐縮ですが、以下の要望を致しますので11月20日までにご回答下さるようお願い致します。

                                    要望事項

1.松枯れ対策は環境保全型の対策に変換し、有人・無人ヘリによる農薬の空中散布及び地上散布を中止すること。

2.伐倒駆除に薬剤の使用をやめ、伐倒したものは焼却やチップ化などの方法に変更すること。特に住宅地周辺では非薬剤化を徹底すること。

3.現在の空散の効果調査は信頼性を欠くため、第3者による厳密な調査を行うこと。また調査を行う場合は、1997年「森林病害虫等防除法の一部を改正する法律案に対する付帯決議」の第3項に掲げられている、[将来的に特別防除をできる限り無くす方向]に沿うため、空中散布の効果調査ではなく、特別伐倒駆除を最大限に取り入れる方向で、伐倒駆除の効果を確かめる調査を行うこと。

4.「守るべき松林」を特別伐倒駆除(焼却、チップ化)で対応できる区域に限定し、伐倒駆除に薬剤を使用せざるを得ない松林は、その対象から外すこと。

5.人の手入れが期待されず利用の少ない松林および広葉樹が混在している松林は、広葉樹への自然転換を促し、「守るべき松林」の対象から外すこと。
6.「守るべき松林」の周辺の樹種転換をよりいっそう推進すること。また海岸保安林の樹種転換を促進するため、広葉樹との混交林育成を積極的に推進すること。

7.来年度から実施される第3次松くい虫被害対策事業推進計画の立案にあたっては、都府県に上記の内容を盛り込むよう指導すること。

8.「無人ヘリによる松くい虫防除に関する運用基準作成のための検討会」は、本山教授の論文に問題が多く、反農薬東京グループが千葉大に質問したところ、論文の健康調査に関する部分を使用しないようにという判断が示された。林野庁は検討会の論点整理でこの論文を最大限に評価しているが、その点に関しての私たちの質問に未だにきちんとした回答がない。無人ヘリ導入を前提とした検討会を解散し、無人ヘリ導入を中止すること。

                       連絡先:反農薬東京グループ
                       西東京市東伏見2-2-28-B
                       電話/fax 042-463-3027
                                          e-mail mtsuji@lcom.home.ne.jp