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2010年9月26日 (日)

ベルギー生活の中の脱原発

「核燃料サイクルは事実上フランスの支配下にある」といわれるベルギーでは、99年に発足したフェルホフスタット連立政権が2002年3月、公約どおりに原発全廃を閣議で決定した。プルサーマルも、残り少ない現在の再処理契約分の終了と共に終焉を迎えることになっている

ベルギーでは、相変わらず国家分裂の危機が高まったり収まったりで、今年の総選挙後も3ヶ月以上経っても未だに新しい連邦政府は生まれる気配がない。

しかし、地方自治が根付いているので、県や地方自治体レベルでは、着々と脱原発に備えた施策が進んでいることが、私の日常生活からも伺える。

まずは電力関連。
今年の6月、グリーン(再生可能)エネルギーを選択できるので2年ほど前に契約先を替えた電力会社から、「弊社のすべてのお客様に100%グリーンエネルギーを供給できるようになりました。これによる電気料金の値上げはありません」という通知が来た。「社用車はすべて電気自動車にしました」というアピールも書かれていた。

Twitterで、日本では約15円/kWhだが、電気料はいくらかという質問があった。
支払い方法などで若干変わるが、1€=120円の場合、約19.6€c(約23.5円)/kWh+消費税21%(配電網使用量や分担金などすべて込)、電気料のみは約0.83€c/kWh+消費税となっている。

請求書には、年に一回、過去の年間電力消費量のグラフを載せてくれるので、とても助かる。節電に努めている家庭の年間消費量はどのくらいかも載っており、毎年それより少なくすることを目標にしている(これまですべて達成!)。

近所の懇意にしているベルギー人夫妻は、最近屋根の太陽光発電を開始して、「メータが逆に回るんだ」と嬉しそうだった。総額1万3千ユーロ(約150万円)のうち4000ユーロくらい補助が出る。15年間売電できて4年後には元が取れるそうだ。期間限定なので、ドイツのように将来買取価格が下がる可能性もあるが、「そうなったら電気自動車を買おうかな」と、売らずに自分たちで使えばいいという。

ドイツ語共同体の政府は、無料のエネルギー相談所も開設しており、暖房器具の買い替えや住居の窓や壁の断熱工事などの相談に乗ってもらえる。断熱工事の材料や工事費、効率の高い新型暖房機器なども、一部所得税免除という形で補助される。


次に、教育。
友人宅で、原爆投下や地震大国日本の海岸には50基以上も原発が建っているなどの話をしていたら、友人の14歳の娘が驚いて、「Die Wolken (邦訳:みえない雲)」という本を貸してくれた。
ベルギーの第二次学校(義務教育は一次6年、二次6年)の8年生で、国語(ドイツ語)教材に使ったという原発事故を題材とした小説だ。チェルノブイリ事故の直後に、ドイツ人作家が出版した。2006年には映画化され、日本語のDVDもある。

<ここで、私の8月8日のTwitterでのつぶやき>
1986年のチェルノブイリ事故直後に書かれた原発事故を題材にした小説が、1996年生まれの少女に読まれ、2006年に映画化された・・・ドイツでは、1998年に脱原発を公約した政権が誕生。今また脱原発延期を目論む政権が窮地に!メディアが過去の教訓を風化させぬ努力を怠らぬおかげだ!

ちなみに、私の子供たちが通う第一次学校でもそうだが、教科書はないので、授業の教材は自治体の学校とそこの教師の裁量で決められる。
息子は、4年生で「点子ちゃんとアントン」、5年生で「ロビンフッド」を読んだ。友人の娘は、7年生のときには麻薬や暴力がテーマの小説を読んだという。これらの小説を教材に、文法や表現、読解力や要約、時代背景などを学ぶのだ。

翻って原発推進一筋の日本では、教育用の副読本「わくわく原子力ランド」とか「原子力ポスターコンクール」といった、教育現場での熱心な洗脳も始まっている。このコンクール
のため、資源エネルギー庁から財)日本原子力文化振興財団へ、昨年1727万2500円の委託費が税金から投入されているそうだ。


政治の話に戻る。
脱原発閣議決定当時のベルギー政府のエネルギー開発庁長官は、環境団体グリーンピースの活動家だった。 若いころは農業技術者だったが、1980年に「緑の党」の創設に参加、1989年から6年間、グリーンピースのベルギー代表として環境や廃棄物問題と取り組んだそうだ。

一方、日本の菅改造内閣大畠章宏経済産業大臣の経歴
「1996
9月、「旧民主党」を結成し、幹事(初代地球市民委員長)として活躍する」とあるが、元は日立の原子力プラント設計の技術者。
就任早々、
海外への原発プラント販売、「交渉窓口」になる意向を表明した。
菅政権では今の路線を止めることは不可能だ。
次回の国政選挙で、原発推進派議員を落選させる以外に道はない。

ドイツでもベルギーでも、社民党や緑の党のように、脱原発を求める有権者の受け皿となる政党が躍進し政権を取ったおかげで実現した。
日本では、少ないながらも民主党や自民党内の脱原発派議員のみを当選させ、社民党やみどりの未来を大きく育てるしか、脱原発の道はないと思う。

選挙前に、立候補者の見極めが重要である。この テーマについては、もう一つのブログで「署名活動について考える」というエントリをお読みいただきたい。

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コメント

自覚的に自分たちが社会の一員として生きようとしたらそれが報われる社会のように思えます。一方、私たちのこの国は・・・。ものばかりが豊かになっただけの心貧しい国になってしまったように思えてきます。

こんにちは♪
日本もようやく”秋”という季節がやってきました。
気象庁では夏は6~8月秋は9~11月と定めていますが、
今や夏は5~9月で秋は10月、11月です。
脱原発を含む環境問題の解決には教育の見直しが必要です。
子供達に正しい地球のあり方と自分達の住んでいる国の今のあり方を示しそしてそのギャップを考えさせることがとても大切だと思うのです。
そしてその教育の中で一番大切なことは”体験”ではないでしょうか。
子供達は体験や経験と通して「何が大切なのか?」「何が間違っているのか?」「自分達はどうすればいいのか?」を学び取っていきます。
子供達にはその“力”が備わっています。

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