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2010年2月27日 (土)

「エネルギー基本計画」見直しについての意見

経産省 資源エネルギー庁が、エネルギー基本計画の見直しについて意見を公募http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g100209a10j.pdfしていたので、書いて送りました。

時間がなくてじっくり吟味された内容ではありませんが、せっかく書いたので備忘録として残します。

原発の問題については、Twitterのおかげでかなりの情報が集まったので、いずれ改めてまとめたいと思います。


以下が意見の対象となる「見直しに当たっての論点」と、対する私の意見です。


6.横断的課題
○このほか、エネルギー政策の見直しに当たって検討すべき課題

【上記論点に関する意見】
検討すべき最優先課題は、このような審議会によるエネルギー基本計画策定をやめて、近く国会に提出される予定の「地球温暖化対策基本法案(仮称)」と「エネルギー政策基本法」およびそれに基づくエネルギー基本計画を、一元化することである。

(理由1)
 参考資料「昨今のエネルギー政策をめぐる情勢と我が国の課題について」http://www.meti.go.jp/topic/downloadfiles/100209a06j.pdf2頁目に、「エネルギーのトリレンマ」として、地球温暖化、経済成長、エネルギーセキュリティーの三つが交差した図と、2008年の日本の温室効果ガスの88%がエネルギー起源というグラフがある。
 すなわち、これらは総合して取り組むべき課題であり、「地球温暖化対策」と「エネルギー政策」を切り離すべきではない。
 イギリスやデンマークには「気候(欧州では温暖化ではなく気候変動という言葉が一般的)・エネルギー省」と担当大臣が存在するほどであり、ドイツでも連邦政府が包括的な「気候・エネルギープログラム」を策定して取り組んでおり、いずれの国の政策も世界をリードする成果をあげていることが、その証左である。
 
(理由2)
 エネルギー政策を切り離して経産省に主導させることにも問題がある。
 
たとえば、日本の再生可能エネルギー普及を阻み続けてきたからだ。
 
ドイツでは、「再生可能エネルギー法(以下EEG)」を2000年に施行。火力発電よりも割高な固定価格による再生可能エネルギー電力の買い取りが、電力会社に20年間義務付けられ、温室効果ガス削減という気候保全だけでなく、エネルギー源の転換や雇用創出にも大きな成功をもたらした。今後も大きな伸びが期待されている。
 
これまでに、ドイツのEEGに倣って類似の制度を導入した国の数は50にも上るが、日本では、ドイツとほぼ同時期に超党派で導入しようとしたほぼ同内容の議員立法案が、原発を推進したい経産省と電力業界の抵抗で廃案になった。

 やっと昨年11月に「固定価格買取制度」が始まったものの、民主党が目指すドイツのような内容ではなく、対象は太陽光発電だけなどの限定つきである。
 
そのような経過の中で結局、太陽光発電の設置量トップだった日本は2004年ドイツに追い抜かれ、2008年には六位に転落した。さらに2007年には、2001年に太陽電池の生産を開始したばかりのドイツの会社Qセルズが、EEGなどドイツ政府の手厚い優遇政策を追い風に、生産量世界一の座を七年連続で死守していたシャープを追い越した。
 
省益優先で旧態依然の縦割り省庁に政策を任せていては、本来なら護送船団で守られるべき業界ですらこのように足を引っ張られるだけである。

(理由3)

今回の意見公募は、経済産業省の審議会によるらしいが、官僚のシナリオどおりに進むといわれた自民党政権時代の審議会が、改善されたのかどうか疑問である。
 
また、「総合資源エネルギー調査会総合部会基本計画委員会」の18名の委員がこのエネルギー基本計画の見直しを担当するようだが、国のエネルギー計画策定になぜ読売新聞本社の編集委員やNHKの解説委員が選ばれているのか、各委員の選考理由もわからない。
 
このような意見募集や審議会などは、時間の無駄でしかなくやめるべきだ。

 
代わりに、2030年までに何パーセントまでエネルギー自給率を向上させたいのか、同時にどれだけの温室効果ガスを削減するのか、それぞれ再生可能エネルギーの占める割合や段階的な脱原発の有無など、何種類かのシナリオを、複数の学識者やシンクタンクなどにシミュレーションさせればよいと思う。日本国内だけでなく外国にも依頼すれば、より客観性が高まるだろう。
 
さらに、気候・エネルギー政策を一元化したら、国会で議員と専門家による諮問委員会を設置し、国会で審議・決議するべきだ。施策の実施や検証のためには、各省庁の担当部署を横断させて、環境省がまとめればいい。
 
ドイツの例では、1987年、日本の衆議院に相当する西ドイツの連邦議会が「地球大気保全のための予防政策」に関し、11人の国会議員と11人の専門家から成る諮問委員会を設置した。120回の作業委員会、15回の公聴会を開き、50の研究機関が参加、150の報告書が提出され、ファイルはゆうに1万頁を超えたという。
 
一方、1990年に策定された「地球温暖化防止計画」は、少数の官僚の手でわずか数ページにまとめあげられただけだったらしい。
 20年後に、CO2を20%削減したドイツと、7%以上増加させた日本の差は、以上のような政策決定の違いからも明らかだ。(最初の意見ここまで)

1.基本的視点
<エネルギーの安定供給の確保>
○今後のエネルギー安全保障の確保については、・・・原子力や再生可能エネルギーなどの非化石エネルギーの推進や資源確保に向けた国際的な交渉力の強化が一層重要になるのではないか。
2.基本的視点を踏まえた新たなエネルギー需要構造のあり方
<エネルギー供給構造の改革>
○安定供給、低炭素社会構築の切り札となる原子力発電については、安全を大前提としつつ、新増設の円滑化や先進諸国並みの設備利用率を確保するとともに、核燃料サイクルの着実な推進を図るための取組の強化が必要ではないか。

【上記論点の原子力発電に関する意見】
原子力エネルギーは、エネルギーの安定供給に寄与するどころかその逆で、しかもエネルギーや経済問題としては解決できない様々な問題も生み出している。

(問題点1)
ウラン採掘から燃料輸送や核廃棄物処分まで考慮すると、原発のCO2排出量は再生可能エネルギーを上回る。しかも、日本では夥しい量の温廃水が海に排出されるので海中のCO2が放出され、海水の温度上昇は生態系にも悪影響を与えている。さらに、日本では地震や事故による停止が多いので、他国に比べて稼働率が低すぎるため、安定供給のために他の火力発電などに依存しなければならない。原発から発生する熱の3分の2は温排水として捨てられ、遠隔地にあるため送電ロスも大きい。結局、化石燃料で効率よく発電するほうが、温暖化対策としてはるかにメリットが大きくなる。

(問題点2)
原発はトイレなきマンションと呼ばれるように、世界中で核廃棄物の処分場問題を解決できた国は未だない。高速増殖炉の実用化は早くても2050年とされており、核燃料サイクルは行き詰ってプルトニウムは貯まる一方で、テロなどの危険が高まるばかりである。

(問題点3)
原発立地では、放射能による環境汚染や周辺住民の深刻な健康被害、農作物や海産物の風評被害、結婚などに際する差別など、憲法の「生存権」を脅かす問題が多いにもかかわらず、地元の人たちもメディアも情報を伝えたがらないので、その実態を知られないままである。

(問題点4)
報道写真家の樋口健二氏が伝えるように、原発内で作業する人の多くは素人で、被曝やその他の事故が多発している。

他にも原子力エネルギーに依存する問題点は多いが、紙幅もないので以上。
あらゆる角度から十分な議論がつくされることを望む。

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コメント

ツイッター情報をありがとうございます。2月28日〆の「エネルギー政策基本法」の意見公募に、温度差発電、小水力発電、など環境を汚染しない、再生可能なクリーンなエネルギーの促進を提案します。国策レベルでは、世界で第3位の地熱発電資源大国として、原子力発電依存からの脱却を目指すべきですね。

今、政治関係も騒がれていて、確かに検察やメディアの横暴には目に余り、民主党応援のような声をよく見聞きしますが、ある部分は正しいと思いますし、賛成するものがあるので応援する気持ちはあります。けれども、この原発問題に関しては一歩も譲れません。民主党を応援している人たちはなぜのこ危険性に声を上げないのかと感じています。原発を推進する事は賛成できません。
ここのサイト、いいなと思っていたら、ツイッターでフォローして頂いて、フォローもしていました。びっくりしました。
いつも情報ありがとうございます。

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