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2009年12月 3日 (木)

有機農業を後退させる事業仕分け

最近BIO(有機)食品テーマについて何度か書いてきましたが、ただでさえ遅れている日本の有機農業が、もっと後退させられそうなショッキングな記事を読みました。

「化学物質お悩み事情」(本の泉社)の著者、村田知章氏(http://blogs.yahoo.co.jp/csboyakihttp://www.geocities.jp/csboyaki/)のmixi日記によると、それでなくても欧州に比べて桁違いに普及が遅れている有機農業が、鳩山政権の事業仕分けの結果、さらに後退しそうです。村田氏から許可をいただきましたので、以下に転載します。

大変なことになりました。 

24
日の事業仕分けで、有機農業を推進するための事業費が無駄な予算としてバサリと廃止になってしまったそうです。 

2006
年に成立した有機農業推進法に則り、有機農業のモデルタウン事業などの事業が全国の59の地域で展開中です。 
その来年度(22年度)予算である約3億円が認められないというのです。 

ようやく芽生えてきた有機農業です。 
有機農産物の占める割合は、全農産物生産量の0.18%しかありません。先進国のうちでは悲しくなるぐらい低い値です。 

有機農業推進法は、民主党の国会議員が中心となって超党派で議員立法した法律です。 

この仕分けを不服として163人の国会議員が連名で予算の復活を求めています。 
今後、政治判断で復活の望みもありますが、仕分けでの裁定が重要視されてしまうそうです。 

有機農業の大切さは、食の安全に止まらずに、環境保全や健康の増進もあります。また有機農業で地域の活性化を図っている市町村も多く、地方経済の復活の原動力ともなります。 

費用対効果で考えても、たったの約3億円の予算で全国各地で有機農業が活性化し、それに伴い地域も活性化するのですから、とても有意義な予算といえると思います。 

有機農業を地域で活性化させるための予算が約3億円しかなかったというのも、驚きですが、その予算さえも削減されてしまったら、せっかく芽生えた有機農業の芽を摘み取ってしまいかねません。 (転載ここまで)

ドイツでは、有機農業による温室効果ガス削減効果も期待されています。鳩山首相が、国際社会に宣言した「2020年までに25%削減」という目標を達成するためには、有機農業ももっと大幅に推進するべきです。

私は、ツィッターで民主党に仕分けの見直しと有機農業の更なる推進を訴えました。

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コメント

日本のツイッターからおじゃまします。
有機農業に関することです。

日本の有機農業が進んでいないことを御懸念のようですが、実は、客観的な動向では、21世紀になってから、激変しています。グーグル検索で、有機液肥、を年度別に検索するとおぼろげながら見えてきます。爆発的に情報が増えています。この有機液肥の効能に、植物が有機物を直接吸収する、と解説されています。すなわち、炭素肥料ともいうべきものです。窒素、リン、カリウムという主要な肥料要素に炭素が追加されてきました。この炭素肥料は有機物です。ただ、従来の堆肥のように固体の有機物ではありません。水に溶けて、作物に吸収される有機物を肥料とする新しいトレンドです。
日本で、有機農業を叫ぶ方は、その識別ができていないように感じます。日本の最高の化学会社の一つに旭化成という会社があります。その関連会社は「液状堆肥」というものを手掛けています。液状堆肥とは、男性用女性衣類、というほど奇異なネーミングです。しかし、そうせざるを得ないほど液状の堆肥には魅力があるのでしょう。
有機農業が後退しているのではなく、明確に、液状で作物に吸収される状態の有機物を施肥するのが望ましい、というトレンドがあるようです。補助金で建設した堆肥施設が2年で操業になっています。筋の悪い技術、と早々に判断をしたのではないでしょうか。
日本の百姓は、江戸時代でもし尿を樽に入れて10年以上地中で熟成し、液状になったものを薄めて使っていました。水に溶ける有機物です。樽一つ作ることも難儀な時代です。それが生きながらえる術だったように思います。

ところで、フランスの高名な赤ワイン、大層高いものがあります。そのブドウ畑は、石灰と有機物がまじりあった土壌、でマールと呼ばれます。地球上で1.8haだけ確認されている土壌です。

1980年日本で家畜糞尿に生石灰を混ぜ、殺菌分解した後、ほ場に還元して、いろいろ栽培することが行われました。糞尿も、石灰も、どちらも畑に補給しています。だったら、生石灰で殺菌してから撒いても同じ、と考えたのでしょう。
これが猛烈な収量増加、美味しさの増進、連作障害抑制など効果を発揮し、今日では数千haになっています。
この生石灰処理の生成物は、有機酸カルシウムで、上記の土壌とそっくりなのです。フランスではワインを作り、日本では野菜を作っています。
特筆すべきは、家畜糞尿を完全殺菌する費用は、耕種農業の収益(資材販売)で完全に回収され、糞尿処理の方が、畜産よりも収益を上げています。勿論、それを利用する耕種農家も大幅な増収で、NPKの化成肥料の3~10倍にもなる土壌改良資材をNPKに追加して使用しています。
この土壌改良資材、実は、炭素肥料といのが正しい評価なのかもしれません。万能の土壌改良資材なんてものはないからです。牛、豚、鶏、象、サル、犬、人間など万能の衣類、というようなものですから。

ちょっと引いて、今の農業の流れを概観すれば、有機農業・直ちに作物に作用する有機物・というものは、今まさに爆発寸前の新しい農業のように感じます。

ちなみに、作物が有機物を吸収して同化することは光合成のリサイクルという見方もできるでしょう。
決して、日本が有機農業から遅れているのではないと思うのです。

そして、分子量200以下、電荷を持たず、水に溶ける有機物は作物に吸収・同化され得るものです。どのような有機物でもその条件に合致するように分解すれば、全部、作物に転換できることでもあり、耕地以外の光合成であっても耕地に移転できることでもあります。
耕地以外の光合成産物、有機物、を低分子量化することで、耕地の作物に光合成を補給することでもあります。
耕地の生産性を倍増できる概念的根拠かもしれません。
現実に、糞尿の生石灰処理では倍増程度にはなっています。
耕地の生産性が倍増すれば、耕地は半分でよく、半分の耕地は太陽光発電とか風力発電など、エネルギー密度の低い、再生エネルギーの生産基地に活用すれば、現在の発電量は完璧に充当できます。

農業は、昔から、住民の食糧を完全に充当しています。発展性の少ない産業で、魅力はありません。しかし、日本人なら一人1400平米の耕地で養われています。それを半減できれば、一人700平米の耕地が余剰となり、それが活用できるなら、近い将来のエネルギーの枯渇に何とか対処する手掛かりになります。また、耕地の生産性倍増は、食糧の流通動線を短くします。それは、省エネルギー型の社会構造と言えます。

貴下の御主張の有機農業は、作物が有機物を吸収する、と一歩進んだ形で進化を遂げて、来るべき資源の枯渇に備えた新しい形へ進化しているように思います。

ただ、炭素肥料という名称は、学会は認定せず、役所も認定しないでしょう。民間が先導しているからです。
今までの堆肥の書物、大家が存命中は無理です。今、その種の本を見ますと、2ページだけが生き残り、他は改訂版の時には削除されるからです。激変です。

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