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2009年11月24日 (火)

BIO(有機)食品にこだわるわけ

私がBIO食品にこだわる理由はいろいろあります。

きっかけは、子どもを母乳で育てるときに、「化学物質過敏症気味の私の体内は、かなり化学物質で汚染されているのではないか」という不安があり、せめてこれから体内に摂取する食品だけは、できるだけ化学物質に汚染されていないものを選ぼうと思ったからです。

そう思っていた矢先に、BIO志向に拍車をかけた事件がありました。

息子は1999年にベルギーで生まれましたが、妊娠中にベルギーでダイオキシンの食品混入スキャンダルが発生したのです。畜産物や卵関連商品は、BIOの製品以外はすべてスーパーの棚から消えました。

幸い、産婦人科医から「肉食は控え魚を食べるように」と言われており、その他の食品も可能な限りBIO製品を買っていたので(ベルギーのスーパーには当時100種類以上のBIO製品がありました)、パニックにならずにすんだのです。

私は、2000年ごろ初めて「化学物質過敏症」という言葉や、日常生活を普通に送れないほど深刻な症状の方たちがいることを知りました。原因は、シックハウスやシックスクール、農薬や除草剤、殺虫剤散布など様々でしたが、市民グループの勉強会に参加させていただき、「化学物質過敏症は、人体の化学物質に対する許容量を一定以上超えると引き起こされる」と知りました。

私自身、化学物質に比較的長い間関わったことがあり、大学の卒論研究では、植物から味覚変革物質を抽出し、構造分析をしました。その間に使った薬品類はアルコール類やアセトンなどが多く、影響が残ったとは思えませんが、就職先の研究所で扱った化学物質の影響は、無視できない気がします。半導体の製造工程で使う有機材料の研究でしたが、化学物質データ集にもまだ載っていない、物性がほとんど明らかにされていないような物質も取り扱っていたからです。それでも、当時は何の自覚症状もありませんでした。

振り返ってみると、研究所勤務時代の化学物質と、その後水田に囲まれた住居で農薬散布や稲刈り後切り株を燃やす煙(農薬散布した稲藁を燃やすのです!)による大気汚染が原因で、許容量を超えたのではないかと推量しています。その住居近くのほとんどの子どもたちが喘息やアトピーに苦しみ、私も含めて流産の経験者が多数派でした。

化学物質過敏症になって困るのは、肉体的な苦痛もさることながら、科学的に因果関係を証明できないため、社会的になかなか認知されないことです。

「やさしい減農薬の話」(中村修・著)には、稲の状況や農民の判断ではなく、指導や一斉防除、空中散布という制度や組織を維持するために、無駄な農薬散布が行われてきた様子が書かれています。

日本の農薬メーカーが生産し、農協が販売してきたパラコート系除草剤により、79年から90年までに1万5000人もの農民が死亡したと推定されるそうです。それほど多くの死亡事故が発生しながら、取り扱いミスとして処理され、社会問題にならなかった背景は、国民の命や健康よりも企業と経済を優先した、かつての公害問題と同じだと思わずにはいられません。そして、筆者は次のように悲しんでいます。

・・・農薬中毒死が半減したのは、普及所や農協が積極的に農薬の安全指導をしたためでもなく、有機農業が広がったためでもなく、百姓の意識がかわったわけでもないのです。単にパラコートの濃度が薄くなったことで中毒死が1300人も減ったのです。百姓のいのちは、メーカーのさじ加減一つに左右されていたのです。この国の、有機農業ブームとは、こんなものでしかありません。・・・

レイチェル・カーソンの「沈黙の春」が出版されたのは、1962年でした。

日本でも、有吉佐和子が1974~75年の連載「複合汚染」で警鐘を鳴らし、「沈黙の春」の日本版と例えられています。

1997年に、シーア・コルボーンらが「奪われし未来」を発表したときには、世界中で「内分泌系攪乱化学物質」(日本では「環境ホルモン」という名も使われる)が、大きな話題になりました。

これらの警鐘の甲斐があってか、化学薬品業界ロビイの強い欧州の政治ですら、化学物質の使用をだんだん見直してきたようです。

そんな中で、前日のエントリに書いたように、欧州の消費者のBIO食品志向が高まってきました。

有機農業の占める割合が高くなるほど、人体の汚染に限らず土壌・水系・大気の汚染、すなわち地球汚染を防ぐことができます。だから、環境意識の高い欧州の消費者には、BIO食品が割高であっても、地球汚染を防ぐために出費を惜しまない人が多いのです。

もちろん私も、家族と地球の健康のための先行投資だと思って、他を節約してでもBIO食品を購入しています。小さな家庭菜園で、自然農法(?!)もどきの野菜も育てています。

10年くらい前、オーストリアやスイス、デンマークで耕地面積の10%以上を有機農業が占めるようになったとき、自他共に認める環境先進国ドイツでは、わずか4%でした。当時、農業省の大臣は環境政党の国会議員だったので、20%を目指すと宣言していました。

しかし、今の中道右派の政権は環境よりも経済優先派ですから、ドイツでの有機農業拡大の見通しは暗いかもしれません。

有機農業の行方ひとつとっても、政治に大きく左右されます。私が、日本の総選挙のときに立候補者の政策を比較しましょうとしつこく訴えたのは、消費者・有権者(納税者としても)としての立場から、政治を変える必要があると考えるからです。

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コメント

ecoyokoさん、おはようございます^^
( ̄-  ̄ ) ンー健康を手に入れようとすると色々と大変なんですね~><;
日本で今?いやいやチョット前になりますがそれは農協のせいって言っても過言ではないんですよね~><;
これくらいの肥料を使わないと農協に出荷出来ないって事になってましたからね~┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~
それでも「こんなに肥料を使ったら・・・」って事になり肥料だけ買って使わないで家にあったりした時期がありましたね(--;)
実際農家の人で肥料を使わずに農協に出荷出来ずに自殺をした人を知ってます・・・その時代に少し高くても安心を手に入れる意識があれば違ったかもしれませんね。
今でも形にこだわる人いますからね~┐( ̄ヘ ̄)┌ フゥゥ~

ダイオキシンか~^^;
肉よりも魚に多くダイオキシンが含まれていますよね~って言っても一日に摂取しても良い基準からはびびたるものですけどね^^;

いや~難しいな~コメントばらばらですいませんm(_ _)m
一番良いのは安くて安全な食べ物何ですけどね(*^_^*)
なかなかそれが^^;

熊本の風さんが知っておられる自殺例は、氷山の一角だと思います。

私たちの食生活は、
農薬で健康を害しながらも食糧を供給してくれる農家の方たち、

便利な電気機器に囲まれた生活は、
原子力エネルギーを供給するために過度な被曝を余儀なくされている労働者たち、

多くの犠牲者によって生み出されていることを、忘れてはならないと思います。

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