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2009年8月28日 (金)

「温室効果ガス削減」マニフェスト比較

日独の政治報道で大きな違いがみられる一つに、地球温暖化を含む気候変動政策があります。

ドイツのメディアでは、毎日のように気候変動政策関連の情報がさまざまな角度から報じられますが、日本では政府が熱心に取り組んでいないためか、情報の質量ともにずいぶん不十分な気がします。

日独ともに、90年に温室効果ガス削減に取り組み始めましたが、ドイツでは、京都議定書の削減目標値、2012年までに90年比で21%を、2007年の時点で達成しました。そしてすでに、2020年までに40%削減を目指しています。ドイツの気候変動政策について詳しく書いていると1冊の本になってしまうので、ここでは、政治とメディアの果たした役割が大きいということだけ強調しておきます。

一方、90年比で6%削減の目標達成どころか2005年までに7%も増加させた日本の政策では、京都議定書の目標達成はほぼ絶望的です。


では、今回の選挙のマニフェストで各政党は温室効果ガス削減について、どのような数値を公約しているでしょうか(原発その他の詳細は割愛)。

ちなみに、再生可能エネルギーの比率について、EUは8.5%から2020年まで20%に引き上げようとしています。

○社民党
2020年までに90年比で30%、2050年まで80%削減
自然エネルギー 2020年までに現在の2%から20%

○共産党
2020年までに90年比で30%、2050年まで80%削減
自然エネルギー 2020年までに一次エネルギーの20%

○民主党
2020年までに90年比で25%、2050年まで60%削減
再生可能エネルギー 2020年までに一次エネルギーの10%

○公明党
2020年までに90年比で25%、2050年まで80%削減
再生可能エネルギー 2020年までに最終エネルギー消費の20%以上

○自民党
2020年までに2005年比で15%(すなわち90年比8%なのに、わざわざ基準年を変えている!)
再生可能エネルギーの開発・利用(数値の記述なし)

この公約内容をみただけでも、いかに無理のある連立政権だったかがわかります。


余談ですが、ドイツだけでなく、気候変動に対する危機感はEU全体でも共有されつつあります。

イタリアの国会は、スイスとの国境だったマッターホルンの氷河の屋根が溶解し始めたため、この春国境変更の法案審議を始めたそうです。今後は、アルプスで国境を接するフランスやオーストリアとも国境変更のための交渉を始めるとか・・・。

日本では温暖化による国境変更の心配はありませんが、別の深刻な影響はいろいろと予想されるはずです。もっと選挙の大きな争点になってもよいはずですが、日本のメディアは怠慢すぎます。

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