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2009年8月 2日 (日)

国民審査で「一票の価値の不平等」是正を!

国政選挙が近づいたので、党首と総理大臣の任期が一致しない問題の指摘や、政策ごとに政党がまとまっていないので、立候補者個人に質問状を送るなどして人物本位で選ぶことの提案などをしてきましたが、「一票の価値の不平等」という大きな問題もあるようです。

そこで、「不平等のままでも合憲という判決を下した最高裁判事に国民審査で×をつけるように」と提案する二人の弁護士(久保利英明、升永英俊)の意見が参考になると思ったので、紹介します。

久保利英明弁護士の「政権交代? その前にやることがあるだろう」というコラム(日経ビジネスオンラインhttp://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090727/200972/?P=1)から、一部抜粋します。

***引用はじめ

 日本で1票の価値の差を、当選に必要な投票数の差で表す。例えばA選挙区では当選するのに50票で済んだが、B選挙区では150票だった場合、「AとBの選挙区の間に、3倍の格差がある」「Bの有権者の1票の価値はAの有権者の1/3しかない」と表現する。

 一方、他の先進国は1票の価値を、平均値との乖離で見る。例えば、全国の人口を選挙区の数で割った1選挙区あたりの平均人口が、実際の各選挙区の人口とどれだけ乖離しているかを見る。選挙区当たりの平均人口が100万人で、実際の人口が120万人なら20%の乖離となる。

 経済同友会の資料によれば、米国の場合はそれが10%までは許容、ドイツでは15%、フランスは20%以内としている。日本の場合、2002年当時で80%以上の乖離が見られたケースがある。
 他の先進国に比べると、日本の状況はそれこそ大きく乖離している。その背景には、日本の最高裁判所が、参議院では6倍未満、衆議院は3倍未満ならば合憲とする判決を出し続けていることがある。

 さきほどの乖離で言えば、1選挙区あたり100万人が平均とした場合、6倍なら29万と171万、3倍なら51万と149万人の選挙区が併設されてもよいことになる。これで見ると、乖離率が50〜70%の選挙区が存在してしまう。


本来の役割を果たさない最高裁

 日本国憲法では、法の下における平等をうたっている。だが憲法の番人たる最高裁は、1票の価値を平等にすることに消極的なのだ。公職選挙法は1946年に成立したが、参議院は94年の公選法改正まで一度も定数を是正していない。

 こうした状況になったのは、参議院の定数格差が1対4.09になったことに対し、1964年に最高裁が、選挙区の区割りは立法政策の問題として、司法の介入に消極的な姿勢を示したからだ。

 定数格差訴訟で、最高裁は衆院選では10回、参院選では11回の判決を出している。このうち衆院選では5回、参院選では10回合憲判決を出した。合憲としたのは、先に述べたように衆院選は3倍未満、参院選では6倍未満の場合だ。

 衆院選では、76年の4.99倍、83年の3.94倍、85年の4.40倍、93年の3.18倍の4回で、違憲ないし違憲状態とする判決を出し、参院選では96年に6.59倍で違憲状態の判決を出している(衆院選では1回、却下判決を出している)。

 違憲状態というのは、簡単に言えば、格差を生じさせる合理的な理由がなくても、その格差を是正する合理的な期間がなければ違憲とは言えないというもの。この「合理的な期間」は現実の状況を鑑みれば、という判断になる。2回の違憲判決も違憲だが、現実の状況から判断して、選挙自体を無効とすることを避けている。

 現実の状況というが、参院は3年に1度、選挙が来ることが分かっている。衆院の任期は4年だが、その間に解散も起こり得るという不確定要素はある。しかし、現実問題として、総選挙後1カ月で解散ということは考えられず、次の選挙まで数年の猶予がある。

 にもかかわらず格差が抜本的に解消されないのは、立法府の怠慢以外のなにものでもない。国権の最高機関たる立法府の怠慢を是正する強力な手段の1つは、最高裁が違憲判決を下すことだ。その機会を放棄している。最高裁が選挙無効判決に逡巡するのは、アンパイアはアウトかセーフを判定すればいいのに、アウトにした後の試合運びまで気遣うというおかしな態度を取っているからにほかならない。

 最高裁が動かないなら、国民に残された手段は国民審査で、定数格差訴訟で合憲判断を下した最高裁判事を落としていくしかない。それが升永と僕とで考えた結論だ。


2人の最高裁判事に×を

 次の国民審査では9人の最高裁判事が対象になる。升永と相談して、対象者のうち那須弘平、涌井紀夫の2氏に×がつくような情報を提供していくことを決めた。2氏を選んだのは、2007年6月13日の最高裁大法廷判決で合憲とする判断を彼らが下したからだ。

 最高裁は、2005年9月のいわゆる郵政選挙で、衆院選小選挙区の定数をめぐる訴訟で15人の最高裁判事中のうち9人が合憲とし、判決を下した。この9人の中に2氏がいる。

***引用終わり

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