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2009年8月30日 (日)

世界中が注目する日本の政権交代

衆院選、全国で投票始まる
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=945283&media_id=2

私がよく聴くドイツの公共ラジオ放送の一つには、毎日国内版と国外版の「報道界の視点」という番組があり、国内や国外の複数の新聞の社説を紹介します。

日付が変わったのでもう昨日のことになりますが、日本の衆議院選挙について、イタリア、フィンランド、ポーランド、スウェーデンの主要新聞、それに東京のジャパンタイムズの社説が紹介されました。今回政権交代が実現した場合、自民党が野党になるのは戦後初めてではありませんが、他国からは実質的には戦後初の政権交代のようにみなされています。民主党が300議席以上獲得するかもしれないと報じている新聞もありました。

98年にドイツで保守から左派への政権交代劇をみましたが、十六年という長期にわたったコール政権が幕を閉じた選挙では、有権者からはこんな声が多く聞かれました。
「野党に政権交代させたところで、政策自体に大きな違いは期待できない。しかし、とりあえず長すぎたコール政権を交代させて風を通さなければ、権力は腐敗する」
そして実際、首相を退任したコールが党首を辞任した後、闇献金疑惑が発覚したのです。

日本では、短期間とはいえ政権交代があったにも関わらず、臭いものには蓋をするだけで風通しがよくなったとはいえません。


さて、ちょうど「きっこのブログ」に、オーストラリアとパラグアイの政権交代の話が載っており、政権交代を求めた両国の有権者たちにとても共感を覚えたので、長いですが一部引用します。

以下http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/より抜粋

(前略)
去年(注・2007年)、11年ぶりに政権交代が実現したオーストラリアは、ものすごい好景気だった。2004年、2005年、2006年と、当時のジョン・ハワード首相ひきいる自由党と国民党の保守連合政権の政策によって、株価は毎年20%ずつ急上昇し続けてた。1996年までの労働党政権下では10%もあった失業率が、保守連合が政権をとってからは急激に改善されて、わずか4%にまで減少した。労働条件もニポンより遥かに良くなり、国が定める2006年度の最低賃金は、時給1300円と、ニポンの2倍近い。株価が毎年20%ずつ上昇してる好景気で、失業率も半分以下に改善されたんだから、もしもこれがニポンだったら、国民の8割以上がこの政権を支持するだろう。
だけど、こんな好景気にも関わらず、オーストラリアの有権者たちは、ハワード首相ひきいる保守連合政権に「NO!」を突きつけたのだ。それは、オーストラリアの人たちが、現在の好景気よりも、労働党のケビン・ラッド党首が掲げた「イラク駐留オーストラリア軍の早期完全撤退」と「地球温暖化に対する京都議定書の批准」のほうを選択したからだ。もちろん、これだけじゃなくて、経済発展を重視したハワード首相が、コイズミ並みの知能でヤタラと公営事業の民営化を推進したことによって、国民の間に所得格差が広がったことなども原因だ。だけど、今回の政権交代の主軸になったのは、オーストラリアの有権者の多くが、目先の景気よりも、イラク侵攻や地球の温暖化について訴え続けたラッド党首の考え方こそを「未来のためだ」って判断したからだろう。
今年の春までオーストラリアに住んでたお友達に聞いたら、オーストラリアの人たちって、学生からお年寄りまで多くの人たちが、政治にすごく興味を持ってて、「自分の1票がこの国を動かしてる」って意識がとても強いそうだ。だから、たとえ、今が好景気であっても、常に未来のことを考えてて、「このままじゃいけない」って思えば、すぐに支持政党を変えるそうだ。だから、そうした国民性もあって、現在の好景気よりも、未来の子供たちのために、「地球温暖化に対しては京都議定書の規定を早期に実現する」って言ってるラッド氏のほうを支持したんだと思う。
(後略)

‥‥そんなワケで、コレを読めば分かるように、これほどの好景気だったのにも関わらず、オーストラリアの有権者たちは、当時の政権与党に「NO!」を突きつけたのだ。自民党によるスマップの作文には、「だから、景気のいいときの首相はいまだに人気があって、悪いときの首相は人気がイマイチ、なのかもしれません。」だの、「みんな、日本をよくしたい!って頑張っているんだろうと思います。なかなかうまくいかないことも、裏目に出てしまうこともあるでしょう。自分たちで選んだ人なのですから、ちょっと大目に見て、応援することも必要なのかな、とも思うんです。」だのって、ぬるま湯みたいなことが書いてあるけど、政権与党がアイドル歌手を利用してこんなことを国民に懇願するなんて、完全に政治の世界基準から置いてけぼりを食らってる状態だ。
政権与党ががんばって、毎年20%ずつ株価が上昇し、最低時給1300円を実現し、失業率も半分以下に改善したのに、それでも「戦争反対」と「地球環境」を訴えた野党を支持したオーストラリアの人たち。つまり、オーストラリアの人たちにとっては、政権与党が景気を良くするのなんて、魚屋さんが魚を売るのとおんなじ「職業上の当たり前のこと」であって、その上で、さらに世界平和のことや地球環境のことを考えるのが政権与党の仕事だって思ってるワケだ。ぬるま湯みたいな自民党とは雲泥の差だろう。
そして、このオーストラリアの政権交代では、これだけの功績を残したハワード首相までもが、自分の議席を失っちゃったのだ。フロッピー麻生が議席を失うのなら誰もが理解できるだろうけど、これほどの仕事をした首相でさえも、アメリカのイラク戦争に加担したってだけの理由で、国民から議席を剥奪されたのだ。あたしは、これこそが、ホントの議会制民主主義だと思うし、国民主権の国家の姿だと思った。そして、この政権交代の時に、多くのオーストラリアの人たちは、「保守連合政権が11年も続くとは思ってなかった」って言ったそうだ。わずか11年のことを「11年も」って表現してるのを見れば分かるように、政治的先進国にとっては、1つの政党や連合が10年以上も政権を握ってることは「長い」って感覚なのだ。1つの政党が長く政権の座に居座ってれば、そこには必ず企業や官僚との癒着が生まれるし、二世、三世なんていう世襲議員がはびこってくれば、その癒着はさらに深いものになる。その極みが、今の麻生政権てワケだ。
あたしは、「政権交代による政治の浄化」の中でタップリと書いたけど、「政権交代」の最大のメリットは、「政治の浄化」に他ならない。政権与党の政治家と企業や官僚との癒着を断ち切り、税金がちゃんと国民のために使われるっていう「当たり前のシステム」を作るために必要なのが、この「政治の浄化」なのだ。そして、逆に言えば、「政権交代」が行なわれてない国は、「政治の腐敗」が進んでくだけだ。これまでの自公政権がやって来たことを見れば、それは誰の目にも明らかだろう。
‥‥そんなワケで、世界中の議会制民主主義国では、ハンザツに‥‥じゃなくて、ヒンパンに「政権交代」が行なわれてて、1つの政党が企業や官僚と癒着しないように国民が監視してるってワケだ。ここ3年だけを見ても、3年前にはスウェーデンで政権交代が行なわれたし、2年前には、さっき紹介したオーストラリアに続いて、お隣りの韓国でも10年ぶりの政権交代が行なわれた。そして、去年は、保守派の共和党を破って民主党のオバマ大統領が誕生し、アメリカでも政権交代が行なわれたけど、この他にも、4月には南米のパラグアイが、9月にはスロベニアが政権交代を果たしてる。そして、あたしが何よりもビックル一気飲みだったのが、この去年のパラグアイの政権交代だった。
パラグアイは、右派のコロラド党が61年間にも及ぶ長期政権を続けてて、世界最長の独裁政権として不名誉なギネス記録を更新中だった。そして、このニポンが、パラグアイに次ぐ世界2位だった。だけど、国民の80%が最低賃金にも満たない収入で貧困生活を余儀なくされてるパラグアイで、それでも国民から搾取し続けて来たコロラド党に対して、国民たちの堪忍袋の緒が切れたのだ。長年、貧困層を助けるための活動を続けて来たカトリック教会の司教、フェルナンド・ルゴさんは、「これ以上、コロラド党の独裁が続いたら多くの人たちが死んでしまう。右派による独裁を終わらせ、必ず政権交代をしなければならない」っていう気持ちから立ち上がり、弱小だった左派政党や社会団体と力を合わせて「愛国同盟」っていう協議体を組織した。そして、自分が大統領選に立候補したのだ。
もちろん、ニポンと違って危険な南米の国だから、立候補したトタンに、ルゴさんは右派与党の刺客から命を狙われるようになった。ニポンの刺客は単なる対立候補のことだけど、パラグアイの刺客はピストルやナイフを手にして命を狙って来る本物の刺客なのだ。それでも、多くの貧困層から支持されたルゴさんは、ニポンの自民党並みの卑劣な妨害工作にも負けずに、41%もの高得票を得て、大統領に選ばれた。そして、61年間も続いて来たコロラド党による右派政権に終止符が打たれ、歴史的な政権交代が実現し、国民のための左派政権が誕生したのだ。
‥‥そんなワケで、この去年のパラグアイの政権交代によって、世界最長の独裁政権ていう不名誉なギネス記録には、それまで2位だったニポンが繰り上がって1位になった。そして、これで、ホントに、世界中の議会制民主主義国の中で、未だかつて一度も政権交代を実現してない化石みたいな政治的後進国は、名実ともに、このニポンだけってことになったのだ。先進国のすべてのメディアが、今、ニポンの政権交代を歓迎するニュースを報じまくってるのは、「これでようやくニポンも先進国の仲間入りをする」っていう見方をしてるからだ。だから、これで、政権交代が成し遂げられなかったら、世界中から笑い者になるのは、あたしたちニポンの有権者ってことになる。そして、政権交代が成し遂げられたとしても、それはただ単に、やっとニポンも世界基準のスタートラインに立てたってだけで、大事なのはその先のことだ。たとえ民主党が景気を良くしてくれたとしても、アメリカの戦争に加担したり、平和憲法を踏みにじるようなことをしたり、非核三原則を法令化しなかったり、環境問題にちゃんと取り組まなかったら、オーストラリアの有権者たちのように、あたしたちは4年後の選挙で、今度は民主党に「NO!」を突きつけなきゃなんない。(後略)

引用終わり


オーストラリアといえば、80年代に大掛かりな行政改革を成功させています。

細川内閣の首相補佐だった田中秀征氏は、オーストラリアに訪問した際、担当者たちから次のように何度も念を押されたそうです。

神輿(首相)の主たる担ぎ手が官僚である現状を打破し、政治家や民間人が担ぎ手となるような体制を整えることこそ「政治機能の強化」第一歩なのである。

これこそが、次期政権の火急の課題でしょう。

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