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2009年5月26日 (火)

「偽善エコロジー」について

前回Shigeさんのコメントに「偽善エコロジー」について書かれていたので、どんな本なのか書評をいくつか読んでみました。全部を読んだわけではありませんが、反論するだけで本が書けそうなので、少しだけコメントします。

 

部分的には、賛同できる点もあります。食品トレイのリサイクルのために洗って回収していた生協に、水とエネルギーの無駄だからやめてほしいと、意見書を出したことがあります。牛乳パックも、洗ってリサイクルなどせず、ガラス瓶入りにすればよいのです。

 

この本の内容にあるらしい、「国民を欺き、環境を悪化させ、企業を太らせ、国や自治体の利権の温床になっている」原因は、似非エコではなく、中央集権の官僚政治にあると思います。これを改革しないことには、いくら環境意識の高い国民が増えて実践したくても、「日本政府の似非環境政策」が妨害するばかりです。

 

上に書いた意見を補うために、かなり前ですが西日本新聞に投稿した記事を以下に転載します。

 

 

2003年1月17日付 私の視線

次世代にツケ残さない ドイツのゴミ削減

 

 ドイツに十年近く住んだ後で日本で暮らしてみると、使い捨ての容器や包装が溢れ、ゴミを減らす取り組みが遅れている状況に愕然とする。


 例えば、ドイツのスーパーでは、買い物袋などを持参しなければ数十円単位のレジ袋を買わなければならない。また、野菜や果物の大部分は量り売りだし、一二五ミリリットル入り飲料のような小さな使い捨て容器もない。
 この十年間にドイツで容器包装ゴミの削減や簡素化が進んだのは、使い捨て包装容器の回収・リサイクル費用をすべて企業に負担させる法律が施行されたからである。その費用は、環境への負荷が大きいほど高く、最終的には商品価格に転嫁されて消費者負担になるため、生産者の方からも、プラスチック容器や過剰包装を減らしていった。
 一方、日本の「容器包装リサイクル法」では、最もコストがかかる回収・保管は企業でなく、市町村が税金で担うが、どれだけの納税者が納得しているのだろうか。

 家庭ゴミのほぼ半分がリサイクルされるようになったドイツだが、「廃棄物の発生回避(ゴミを作らない・使わない)」が「リサイクル」よりも優先されるため、デポジット(預り金)制で繰返し使うガラスびんやPETボトルが飲料容器の半分以上を占める。それでも、ここ数年使い捨て容器の割合が増え続けたため、今年の元日からは使い捨てだったびんや缶の大部分にもデポジット制が導入された。
 コンビニエンスストアも道端の飲料用自動販売機もない上に、使い捨ての缶やPETボトルまでなくなるなんて、ドイツの生活は日本の消費者にとって、不便極まりないかもしれない。

 では、なぜドイツの廃棄物政策は、ここまで徹底するのだろうか。突詰めれば、「国は将来の世代への責任においても自然の生存基盤を守る」ことを謳った憲法がある。さらに、欧州委員会も「すべての政策分野で環境を考慮しなければならない」としており、廃棄物政策はほんの一部に過ぎない。それほど、EU(欧州連合)の地球環境に対する危機感は強いと言える。


 翻って、日本の政府には、子供たち以降の世代にツケを残さぬための、どんな理念や政策があるだろうか。相変わらず経済成長が最優先の政治家と、国民の利益より縦割りの省益優先の官僚は、「容器包装リサイクル法」のように、企業に甘く納税者(消費者でもある)に負担を強いる法律しか制定しなかった。
 結局、日本でも、便利さばかりを追求せずに「ゴミを買わない・使わない」消費者がもっと増えて、有権者として立法府を変えていく道しかなさそうだ。
転載ここまで

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