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2008年11月 3日 (月)

政権交代がもたらしたこと

こういうテーマは敬遠されがちで読者が激減しますが(笑)、それでも米大統領選挙も近いし、日本でも衆院が解散するとかしないとか言われていますので、どうしても気になって仕方がないことを書きます(ドイツ人だと、夫婦でも友人同士でも政治の話題が出てくることが多いのですが・・・)。


ドイツ生活が長かったことと今でも情報源のほとんどはドイツからなので、ベルギーよりもドイツ社会の変化に敏感になります。とりわけ、最近になってますます政権交代による影響だと思いたくなることを頻繁に見聞するようになりました。


まず、連邦政府レベル。


かつてのSPD(社会民主党)緑の党の「連立政権」から、今のCDU(キリスト教民主同盟)/CSU(キリスト教社会同盟)SPDの「連立政権」に変わりました。CDU/CSUとは保守系経済重視の政党で、私には日本の自民党に近いイメージがあります。


すると、公共放送の政治番組が、ジャーナリストの抗議の甲斐なく45分間から30分間に短縮され、おまけに放送時間帯も夜遅くにずらされました。日本の自民党はNHKの政治報道を内容的に骨抜きにしてきましたが、ドイツではジャーナリズムの政治の監視機能は強いので内容にそれほど影響を与えられない分、時間枠に打撃を与えたのです。


次に、連邦州レベル。


私は、ドイツ生活のほとんどをボン、ケルン、アーヘンなどのあるノォトライン=ヴェストファーレン(NRW)州で過ごしました。当時は「連立政権」だったので、先進的な環境都市も多く、環境学を学ぶには理想的な州でした。


特にありがたかったのは、他の州に先駆けて「環境学」を学べる大学院があったことです。外国人学生にも門戸が開かれており、当時はギリシャ政府から派遣された留学生グループもいました。その後、ドイツ中の大学に似たような環境専門課程が次々と設置されていきました。


ところが、州政府がCDUFDP(自由民主党)の「連立政権」に変わってから、私が学んだ大学の「環境学」修士課程はなくなってしまいました。教育は連邦州の管轄なので、大学のカリキュラムや予算は州政府に左右されるのです。


ドイツ人の友人で、NRW州に住む環境関連や教育関連の職業の人たちからは口々に、政権交代後の予算の削減と政策の質の悪化について聞かされました。


文化・芸術方面でも、環境や教育と同様のようです。


それでは、これらの予算はどこにまわされたのでしょうか?


検証する術はありませんが、街のいたるところに工事現場が出現し、NRW州も土建国家(ドイツの連邦州は国家でもあります)になりつつあるように思えて仕方がありません。


そして、NRW州政府がホームレスへの支援予算を削減しようとしていることを、最近の公共テレビでの政治番組が報道していました。


次回の選挙では、NRW州の有権者が政権を交代させることを望んでやみません。

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