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2008年8月19日 (火)

癌と闘う友人たち−フランス編

去年の秋のほぼ同じ頃、ドイツとフランスの友人から「近い内に乳癌の手術を受ける」という連絡を受けました。二人とも、手術後の副作用の強い治療と闘っているところですが、最近また二人から同時期に音信がきたので、紹介したくなりました。


まずは、パリから50kmほどの衛星都市に住むフランス人のほうから・・・彼女は私と同じ齢ですが、私から見たら苛酷とも思える運命を、いつも前向きに受け止めて生きてきた素晴らしい女性です。


彼女は一度結婚したのですが、子供が欲しくて長年不妊治療を続けても恵まれず、結婚後10年以上経って保険に入っていなかった家の火災がきっかけで離婚しました。


そうしたショックから何年もかけてやっと立ち直った数年前、妹の離婚、母親の大病と父親の死、一卵性双生児の姉の癌の手術が短期間に一度に彼女を襲いました。


彼女は大病した母親の近くに住むために小さな家を買ったからと、私たち家族も招いてくれました。


お父さんが亡くなったのは、私たちが訪問したほんの数週間後でした。会った時はとても元気で、息子にわざわざエクレアを買ってきてくれたのに・・・。彼女は、「父は幼くして交通事故で亡くなった息子のことばかり嘆いて生きてきたから、今やっと弟と一緒になれて喜んでいると思う」と、私に穏やかに語ってくれました。


教師をしていた1人暮らしの姉は、癌の手術後療養期間が長いため教壇を離れた職場に移され、同時に教員宿舎から出なければなりませんでした。家を買うにも癌患者は銀行からお金を借りられないので、彼女が自分の名義で街中のマンションを買ってあげました。


彼女自身が勤めていた会社も一時は倒産しましたが、他の経営者の下で幸い働き続けられているそうです。


毎年子供たちの誕生日やクリスマスには、大きなプレゼントの山が送られてきます。私も子供たちも、彼女の手編みのマフラーやセーターの贈り物を何度ももらいました。


どんな苦境にあっても、彼女は決して笑顔を絶やしません。双子の姉は物事をいつも悲観的に捉えるけど、「私はいつも楽観的でしかいられない」と、前回泊まりに言った時に夜通し語り合いながら、彼女は何度も言いました。


それから1年も経たずに、今度は彼女が癌にかかってしまいました。でも、手術前も手術後も、職場に復帰したとも、彼女らしい明るい便りばかりが届きました。


つい先日も、「2週間夏休みを取ったので、フランスの海辺の家を借りてヴァカンスに出かけるから一緒に来ない?」とお誘いがありました。休暇はいつも、お母さんと3姉妹、それに妹の2人の子供たちで過ごすのです。私たち家族の都合が合わなくて、とても残念でした。

 

今度は彼女の笑顔にいつ会えるかな~待ち遠しくて仕方ありません。

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