チベット4 ダライラマのドイツ訪問
ダライラマの五日間のドイツ訪問が終わりました。各地で精力的に講演し、最終日は首都ベルリンで、2万人もの聴衆を前に淡々と語るダライラマの姿を見ながら、ダラムサラ通信(チベット情報のリンク先は、過去の日記チベット1~3に貼ってあります)で読んだ地獄絵のような監獄の様子と「彼らにはただ、我々がチベット人であること自体が罪なのだ」という言葉が、頭から離れませんでした。
次はイギリスを訪れるそうですが、果たしてダライラマの欧州行脚は、チベットで苦しむ人々を一日でも早く救い出す道を切り開くことができるのでしょうか?
ドイツのメディアでは残念ながら、暴力ではなく対話による解決を訴える彼の声よりも、ダライラマとの会見をめぐる政治的な駆け引きばかりが強調されて取り沙汰されたという印象をぬぐえません。
インドからの長旅後ドイツに到着早々、討論番組のインタビューで外務相が会見しないことについて質問され、「No problem」と答えるダライラマが気の毒でした。昨年、メァケル首相(ご存知のようにドイツ初の女性カンツラーです。CDU=保守のキリスト教民主同盟)が「個人的な会談」と言いながら首相官邸に迎えてから中国との関係が悪化したせいか、今回は外務相(SPD=社会民主党)が会見を断りました。ところが、同じSPDの経済開発協力相が、党内での反発にも関わらず閣僚として唯一ダライラマと会談。彼女は、「人権や貧困問題などについてとても実りある会談だった」と述べましたが、担当大臣の当然の職務として評価されるべきではないでしょうか。なのに、SPD党内の不協和音は最近特に目立ちます(ヴィリー・ブラントが草葉の陰で嘆いているかも・・・)。
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